...村全体根こそぎ持ってゆかれたって足りやしねえから...
犬田卯 「瘤」
...私の生命は根こそぎ揺り動かされている...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...クロニオーンの雷撃に樫の大木根こそぎに倒れ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...根こそぎありったけのことを思い出すが...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...十人の将曹よりも、一人のお前達と、頼んでいるわしの心が判らんか? 軽々しく、彼等と刺違えて死ぬような安い命か? そんな安い命と、お前達は思うているのか? お前達、徒党の三四十人が、島津を背負って立つのだとは、思わないのか? わしが、常、日頃よりお前達を頼みにしていることが、未だ得心行っていないのか? 天下のために、わしのために働かなくてはならぬぞ、というわしの言葉を、何んと聞いていた? もし、軽挙妄動をして、父上から、血判した奴等悉く切腹させいと、命ぜられたなら、今まで、わしが、お前達を育ててきたことが、根こそぎ、潰れてしまうということが、判らぬか? お前達が、死んだなら、島津の家に誰がいる?」「然し――」呼吸のつまるような声で、吉之助が、云った...
直木三十五 「南国太平記」
...停戦当時は砲火のため樹林は根こそぎ失われてしまい...
野上豊一郎 「ヴェルダン」
...身内の者が一人でも殘れば小堀の家を根こそぎ引つくり返してやるよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...根こそぎ洗い出してみる」平次はそう言いながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...根こそぎ遠慮のない事情を話して貰いました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それに胃腸も根こそぎ痛めてしまったので...
林芙美子 「新版 放浪記」
...一人残らず根こそぎに探しだされ...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...頗る機械的に根こそぎに行はれるのである...
平林初之輔 「諸家の芸術価値理論の批判」
...根こそぎ業火に焙きつくしてしまつた...
正岡容 「大正東京錦絵」
...性慾を根こそぎ抜いてしまつた去勢されてゐた俳句に...
室生犀星 「俳句は老人文学ではない」
...「――ごそっと根こそぎ網にひっかかるでしょう...
山本周五郎 「思い違い物語」
...根こそぎ一網(あみ)に召捕って...
吉川英治 「江戸三国志」
...住民の生態をさえ根こそぎ覆(くつがえ)していたことだろう...
吉川英治 「私本太平記」
...一夜に百五十年の武家機構とその経営の府が根こそぎ崩れ去ってみると...
吉川英治 「私本太平記」
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