...ただ一つ清浄無垢(せいじょうむく)な光を投げていた処女を根こそぎ取って園に与えるということは……清逸は何んといっても微(かす)かな未練を感じた...
有島武郎 「星座」
...慌てゝ蟆口から根こそぎ中のものを取り出して...
有島武郎 「骨」
...理事様らの身代百あわせたって足りやしねえから……組合員の田地田畑根こそぎ浚っても...
犬田卯 「瘤」
...根こそぎ町の金持のところへこの村が持って行かれるなら...
犬田卯 「瘤」
...所蔵の刀剣全部を根こそぎ久原(くはら)家へ売渡す事に定(き)めた...
薄田泣菫 「茶話」
...私の生命は根こそぎ揺り動かされている...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...しっかりした土地そっくりを――処女土壌を根こそぎ引っさらって橇に載せはじめた...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...根こそぎに忘却してしまうものである...
太宰治 「春の盗賊」
...根こそぎありったけのことを思い出すが...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...畜生! 奴は根こそぎ俺を見抜いてしまやがった...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...頗る機械的に根こそぎに行はれるのである...
平林初之輔 「諸家の芸術価値理論の批判」
...僕を根こそぎにしました...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...おお根が根こそぎになったのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...根こそぎ活動をつゞけた嵐と嵐が...
槇村浩 「同志古味峯次郎」
...今ぞ根こそぎ快く身をも心をも洗い尽されるようなものを感じながら...
正岡容 「小説 圓朝」
...そこで根こそぎぶっつぶそうというコンタンからだ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...そこで根こそぎぶっつぶそうと言うコンタンからだ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...一夜に百五十年の武家機構とその経営の府が根こそぎ崩れ去ってみると...
吉川英治 「私本太平記」
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