...柔らかに私の体を包んでいる袖の長い着物が...
伊藤野枝 「転機」
...堅いものでも柔らかいものでも何でも御意のままに翻訳する...
大杉栄 「獄中消息」
...羽根蒲団(クッション)のように柔らかく全面に内貼りがしてあった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...……子供の柔らかな無垢な心...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...そうしてこの要素を自分の柔らかい頭に植えつけてくれた重兵衛さんに...
寺田寅彦 「重兵衛さんの一家」
...それだけでも東京市民の顔は幾分か柔らかく快いものになりはしまいかと思われる...
寺田寅彦 「電車と風呂」
...どうかお手柔らかに――先生はまずそこにおかけください...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...それはいささかの芝居気もなく、平明枯淡な演奏ではあるが、柔らかな愛情と、ロマンティックな夢のうちに、そっと我らの心を押し包んでくれるからである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...そんな柔らかい空気の濃厚な場所だったかもしれない...
長谷川時雨 「鬼眼鏡と鉄屑ぶとり」
...すべすべとして油になじんだ鹿皮のやうな柔らかさがある...
林芙美子 「晩菊」
...眼の前にある靄を含んだ柔らかい空気は優しく優しく顫へてくる...
原民喜 「魔のひととき」
...もの柔らかに命令した...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...柔らかいピリッとくる海老(えび)やら...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...喉の奧からその聲は柔らかく...
室生犀星 「汽車で逢つた女」
...かれと柔らかい下草を植えるために跼(かが)みこんで見たかった...
室生犀星 「生涯の垣根」
...肩へかけてのなだらかな柔らかい肉付は...
山本周五郎 「薊」
...鋭き叫び声は消え失せて柔らかい静けさに変わっている...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
...その皮を固く緊着せる帯の織物としての柔らかさなどが...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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