...(立派な野菜を枯らすので)聖ミシエル(九月廿九日)に暑気は天に登る...
石川三四郎 「百姓日記」
...腥(なまぐさ)い風を起して樹を枯らす...
泉鏡花 「海神別荘」
...「科学者というものは枝ぶりや花ばかりを気にして根を枯らすを忘れる素人(しろうと)植木屋のようなものだ...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...われわれのシャツはわれわれの内皮または真皮であってこれをはぎとれば樹皮をはがして枯らすことになり生命をそこなう...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...自分の身を枯らす害虫に気づいていながら...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...下手な植木屋が良い木を枯らす...
寺田寅彦 「スパーク」
...つまり気を枯らす気枯(けが)れということでござってな...
中里介山 「大菩薩峠」
...最初から徳川の根を枯らすことばかりやっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...危うくベートーヴェンに芽生えた音楽愛を枯らすところであったが...
野村胡堂 「楽聖物語」
...ショオベルはシューベルトの貧困がその伸び行く天才の芽を枯らすことを怖れて...
野村胡堂 「楽聖物語」
...汗まみれになって調理に精根を枯らす...
久生十蘭 「ノア」
...私は今草木を無駄に枯らすことをようしなくなった...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...精根を枯らすような...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...射るに便せんとて右の乳房を枯らす(古ギリシア女人国話の引き写しだ)...
南方熊楠 「十二支考」
...ゐる間に植ゑかへて枯らすのは耐らなかつた...
室生犀星 「故郷を辞す」
...火は草木を枯らすこと...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...君威をかさに着て民力を枯らすなどとは悪吏の典型的なるものじゃ」「…………」「わしの首を斬って...
吉川英治 「宮本武蔵」
...徳願寺の一僧は、武蔵のことばを、思い当って、「それでは、あの方にすむまいぞ、青田を枯らすな...
吉川英治 「宮本武蔵」
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