...廃墟の果てるところに海があった...
梅崎春生 「桜島」
...いつも彼を刑務所へ送り込もうと全身汗をかいて奔走(ほんそう)している名探偵の袋猫々(ふくろびょうびょう)との何時果てるともなき一騎討ちは...
海野十三 「奇賊悲願」
...かれ烏啼は大いに困り果てるのだった...
海野十三 「奇賊悲願」
...その青田の果てるあたりに私のうちの赤い大屋根が聳えてゐた...
太宰治 「思ひ出」
...おや! おや! と飽きれ果てるほどの蝶や蜂のように入雑(いりまじ)り...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...いざといえば自害をして果てるばかりと...
中里介山 「大菩薩峠」
...主膳もこのまま朽ち果てるとも限るまいから...
中里介山 「大菩薩峠」
...思ふ人ある身は悲し雲涌きて尽くる色なき大空のもと野に立つて目を放つと地平からむくむく雲が涌き上つてきていつ果てるとも知れない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...この道の果てるところまで...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...紛糾(いざこざ)はいつ果てるともつかなかつた...
堀辰雄 「ふるさとびと」
...このまことに滑稽な競争のやうな戦争は何時に果てるとも見極めがつきませんでした...
牧野信一 「船の中の鼠」
...只今それ程満点の利用も無いから従って徒(いたずら)に山野に枯れ果てる事が多い...
牧野富太郎 「植物記」
...どこのいづくで果てるやら...
三好十郎 「地熱」
...相討して果てるも満足」と...
吉川英治 「上杉謙信」
...――自分は遂にここで終る元々足利どのと志(こころざし)を契(ちぎ)って御為(おんため)の下に果てることさらさら何の悔(く)いではないこのうえは其許(そこ)(頼尚)を初め生き残ったわが一族はいちばい心をかためそして尊氏公を天下のあるじと仰ぐまで忠節を尽せ働き抜けそれが我(われ)への大仏事ぞ陀羅尼(だらに)の経(きょう)もどんな供養もそれ以外に我への回向(えこう)はないとせよと...
吉川英治 「私本太平記」
...いつ果てるとも見えなかった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...この吉水に咲いた座行往生(ざぎょうおうじょう)の菩提華(ぼだいげ)は散り果てる日もあるまいぞと...
吉川英治 「親鸞」
...この清水寺の一つの灯も消え果てると...
吉川英治 「源頼朝」
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