...復活の日を待ち望むやうに孤立の日を待ち望んで來た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...それを知りたいと望む多数の人の一人として私もそれから多分の示唆を受けうるであろうから...
有島武郎 「想片」
...何といふ理由なしに新しい人を望む樣になつた一部の勢力家...
石川啄木 「菊池君」
...ポオル叔父さんはその日の大事件に就いての説明を望む熱心な聴き手に取り囲まれました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...上州の平原をも望むを得べし...
大町桂月 「妙義山の五日」
...いやしくも徳義の基礎によりて立つにあらざるよりは国民の永久不滅なる隆盛繁栄は決して望むべからざることを...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...我は言行共に壯快偉大なる政治家たるを望む...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...ただ妻が必ず望むに相違ないことを望まないように...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...日本橋(にほんばし)の大通(おおどおり)を歩いて三井三越を始めこの辺(へん)に競うて立つアメリカ風の高い商店を望むごとに...
永井荷風 「日和下駄」
...愛宕山(あたごやま)を前にして日本橋京橋から丸の内を一目(ひとめ)に望む事が出来る...
永井荷風 「日和下駄」
...胆吹と相望むところのこちらの湖岸を離れることにはなるまいと思われる...
中里介山 「大菩薩峠」
...かの遠き赤城を望むわが部屋の窓に咲きたる木犀(もくせい)の花...
萩原朔太郎 「短歌」
...「それ程に汝(そち)がこのやうな靴を望むのならば...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...それこそ僕の望む總てゞす...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その子を縦(ゆる)さば望むところを何なりとも叶(かな)えやろうと言うたが...
南方熊楠 「十二支考」
...それは己の望む所では無い...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...望む所の平和はまだ容易にその曙光(しょこう)を示しません...
与謝野晶子 「階級闘争の彼方へ」
...その輝く大校舎を望むごとに「卒業したら...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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