...朝霧下りた梓川の谷を――しかしその霧はいつまでたつても晴れる気色は見えません...
芥川龍之介 「河童」
...兎に角霧の晴れるのを待つた上にしなければなりません...
芥川龍之介 「河童」
...やがては御疑念の晴れる時節もござりましょうと云う...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...夢現のうちに雨の音をきいたが、やつぱり降る、晴れる、また降る、照りつゝ降る、降つてゐるのに照つてゐる、きちがい日和だ、九時半から一時半まで行乞する、辛うじて食べて泊つて一杯飲むだけは与へられた、時雨の功徳でもあり、袈裟の功徳でもある...
種田山頭火 「行乞記」
...萩がちつたり虫がないたり峠くだればゆふべの牛が鳴いてゐる・夕立晴れるより山蟹のきてあそぶかな長屋あかるく灯して疳高いレコードの唄アンテナがあつて糸瓜がぶらさがつて鉄道工事長屋で九月十五日降りさうなが...
種田山頭火 「行乞記」
...縞萱の穂の伸びやう澄太君に・待ちきれない雑草へあかるい雨伸びあがつて露草咲いてゐる待つてゐるそこまで送る夕焼ける空の晴れる・あんたがちようど岩国あたりの虫を聴きつつ寝る改作・秋風の...
種田山頭火 「其中日記」
...僕らの疑問はすぐに晴れる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「ボヘミアの醜聞」
...打ってお心が晴れるなら...
中里介山 「大菩薩峠」
...それさえ判れば久吉の疑いは晴れるわけだ」「それを言わないそうでございます」「よしよし何かわけがあるだろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...少しは氣が晴れるだらう」「親分は?」「俺はあとの始末をする...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...気が晴れるほど呑むは宜(い)いが...
樋口一葉 「にごりえ」
...灰色の煙がゆっくり晴れると...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...僕たちがこれをやってる間はよく晴れるんだ...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...晴れるにきまっているんだよ...
室生犀星 「みずうみ」
...ひとしきり降るとまもなく晴れる...
山本周五郎 「契りきぬ」
...雨かと思うとまたすぐ晴れる...
横光利一 「欧洲紀行」
...このむやむやの晴れるまで待ちねえってことよ...
吉川英治 「銀河まつり」
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