...此の頃明け暮れ聞くものは...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...明け暮れ書物を開けてはペンを握り洋紙の原稿紙に細字で何か書いて居る...
高濱虚子 「俳諧師」
...しかしそれが悲惨だからと言って明け暮れ悲しんでいる事は出来ない...
高浜虚子 「俳句への道」
...明け暮れ思いつづける自分を心に描いた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...余は明け暮れ自分の身体(からだ)の中(うち)で...
夏目漱石 「思い出す事など」
...こういう惨憺たる島の明け暮れに...
久生十蘭 「ノア」
...そういう吹雪に明け暮れて...
本庄陸男 「石狩川」
...夜は日につぎ暁は夕べにつながりて絶えざれども呱々(ここ)の声と葬いの鐘の音(ね)との相交わることなく明け暮れし日夜はただ一つだになし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その明け暮れを送る住居なのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...明け暮れ晋太郎をみとりながら...
山本周五郎 「菊屋敷」
...一年の明け暮れを...
山本周五郎 「日本婦道記」
...明け暮れ自分の室(へや)に閉じ籠もって...
夢野久作 「白髪小僧」
...むしろ讀者と共にといふ氣もちすら明け暮れもつてをります...
吉川英治 「折々の記」
...安土へ質子として連れて行って以来、明け暮れ、忘れようとしても、つい戦陣の夢にもみる十一の子の幼い文字ではないか...
吉川英治 「黒田如水」
...予もその吉報を明け暮れ待っていたのであるぞ」「殿――」重蔵は思わず膝行(にじり)だした...
吉川英治 「剣難女難」
...明け暮れ、余りに側近くいて、時には、夫人の寧子(ねね)と夫婦喧嘩をしたり、時には、愚にもつかないことを歓んだり、鬱(ふさ)いだり、馬鹿をいったり――風采(ふうさい)ときてはまた、他家のどの主人と見較べても、優(まさ)るとは思えない――御主君であるので、とかく、そう偉材な天質と観るものは、まず、羽柴家の家中でさえ、十人のうちに一人とはないらしいが、竹中半兵衛は、この人に侍側(じそく)し、この人のために半生を送ったことを、今とても、決して後悔していないどころか、(よくぞ、かかる御主君に)と、結ばれた天縁に対して、大きなよろこびと、そして臨終(いまわ)の間際までも、確乎(しっか)とした生きがいを感じているのであった...
吉川英治 「新書太閤記」
...まだ法体(ほったい)にならぬまえは――月輪関白兼実(かねざね)として朝廟(ちょうびょう)の政治に明け暮れしていたころは...
吉川英治 「親鸞」
...しかし南北朝時代の人間は人間同士の殺戮(さつりく)に明け暮れしていて...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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