...私の生れついたる美しい脚を騙取(へんしゅ)したる――敢えてそういうのだ――その男とを引捕(ひっとら)えるためであった...
海野十三 「大脳手術」
...極めて明証的な諸論証として提出することを敢えて致し得るような仕方で...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...敢えて譬えるならば...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...というパラドックスを敢えて掲げたいと思う...
戸坂潤 「思想としての文学」
...前者は云わば社会学的(敢えて社会科学的とは云わぬ)概念であり...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...況復秦兵耐苦戦 況や復(ま)た秦兵の苦戦に耐うるをや被駆不異犬与鶏 駆られて犬と鶏とに異ならず長者雖有問 長者問うこと有りと雖も役夫敢伸恨 役夫敢えて恨みを伸べんや戦争中によく出征する学生の国旗に字を書かされたが...
中谷宇吉郎 「詩人への註文」
...私が敢えて使うこの手法は...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...若者がそんなことを話すと馬鹿にされるのを恐れて敢えて人には言わなかった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...何の必要もない奇行を敢えてしたのであって...
穂積陳重 「法窓夜話」
...敢えて珍らしいものではない...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...仙太郎も敢えてそれを拒まず...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...(c)世には自ら模倣しうと思うことならでは敢えて称(たた)えんとせざる者あり(キケロ)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その旗本陣へ単身駈け入ることすら敢えてした謙信が...
吉川英治 「上杉謙信」
...ただこれ守るを第一として敢えて戦うことをしなかった...
吉川英治 「三国志」
...三魏が、敢えて戦わず、長期を持している真意は、あきらかに蜀軍の糧食涸渇(こかつ)を待つものであるはいうまでもない...
吉川英治 「三国志」
...治郎左衛門は、敢えて、諂(へつ)らわなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼は敢えてその大兵をみだりに用いて功を急ごうとはしない...
吉川英治 「新書太閤記」
...敢えて具体的な意志表示を求めたのである...
吉川英治 「新書太閤記」
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