...文藝を三四年間放擲して終ふのは...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...以(もっ)て列国の侵略に抗してその独立性を保全すべしと叫んで学業を放擲(ほうてき)し...
太宰治 「惜別」
...他ノ一切ヲ放擲(ほうてき)シテ妻ヲ喜バスニノミ熱中シテイタラ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...文学や文芸批評を放擲して...
レオン・ワルラス Leon Walras 手塚壽郎訳 「純粋経済学要論」
...無論僕は一切を放擲して再びダンニソープに向けて出発したさ...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「グロリア・スコット号」
...発明・発見の成果は故意に放擲されたり(例えば特許権を独占することによって特許使用を全社会に向って禁止する大産業資本を見よ)...
戸坂潤 「科学論」
...自由の放擲をさえ意味するだろう...
戸坂潤 「技術の哲学」
...即ち論文としての資格を忘れ又は放擲する...
戸坂潤 「思想としての文学」
...文化の国際的通用性というものはもう放擲されたと見ねばならぬ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...その大部分がすでに銘々のやり方で夫を放擲する工夫を始めていた処だったので...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...なんらの指導もなしに世人を放擲するわけにゆかない...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...その温泉とはどこですか」兵馬が最初の当途(あてど)もない甲武信の山入りを放擲(ほうてき)したのと...
中里介山 「大菩薩峠」
...若シ放擲シ置ケバ尽ク外人ニ奪ヒ去ラルヽニ至ラン...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「好古小言」
...一切の文學的活動を放擲する辯疏のために書いた手紙である由が註せられてゐる...
堀辰雄 「春日遲々」
...気紛れや我儘で放擲するのではなくて...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...こんなに幾月もほかのことは放擲(ほうてき)したふうで付ききりで看護もしていますが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この壮大な天然を放擲(ほうてき)して置いてはいけない...
柳田国男 「雪国の春」
...放擲(ほうてき)せらるべき世上の価値の奴隷となっている...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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