...軍隊語を放擲して自分の言葉で話し出した...
新井紀一 「怒れる高村軍曹」
...放擲つて置けばいゝぢやないか...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...現在の好意的な中立の態度を放擲(ほうてき)して逆に露西亜(ロシア)に傾いて行ったら...
太宰治 「惜別」
...放擲することである...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...であるから空間が根源的であるのを知るためには空間感覚及び空間知覚という概念を放擲しなければならない...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...そして而も一遍に絶対主義に立て籠って了う代りに――そうすれば一切の相対的な見方は永久に放擲される――...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...あなたに対する私のこの義務を放擲(ほうてき)するところでした...
夏目漱石 「こころ」
...残りなく自己を放擲(ほうてき)した...
夏目漱石 「それから」
...もしベルリオーズが金儲(かねもう)けの俗事を放擲(ほうてき)して...
野村胡堂 「楽聖物語」
...放擲(うっちゃ)ッといとくれ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...一切の文學的活動を放擲する辯疏のために書いた手紙である由が註せられてゐる...
堀辰雄 「春日遲々」
...その損害を補ふために避暑の計画を放擲した...
牧野信一 「素書」
...村中の人々は一切の野良仕事を放擲して...
牧野信一 「南風譜」
...俳句分類の編纂は三年ほど前から全く放擲してしまつて居るのである...
正岡子規 「病牀六尺」
...何でもすツかり在來(ざいらい)の藝術を放擲(うつちや)ツて...
三島霜川 「平民の娘」
...佐和山城の敵もそこを放擲(ほうてき)して...
吉川英治 「新書太閤記」
...放擲(ほうてき)せらるべき世上の価値の奴隷となっている...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...しかし道元の説く慈悲は身心を放擲したものの慈悲である...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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