...源一は矢口家(やぐちけ)のおかみさんから譲(ゆず)られた裏通りの一坪の地所から放れるつもりはなかった...
海野十三 「一坪館」
...遂に館でも夜がすっかり明け放れると...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...花江から放れることがとうてい出来そうにもないと強く思った...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...今日においては井上侯爵中心時代を全く放れる必要がある...
内藤湖南 「維新史の資料に就て」
...なお夜の明け放れるまで近隣の人たちと共に話をしていたくらいで...
永井荷風 「草紅葉」
...いま扶持に放れることはできない...
山本周五郎 「花も刀も」
...ちよつと突つついてはちよつと放れる...
横瀬夜雨 「筑波ねのほとり」
...一人は傍から放れることは出来ないから...
横光利一 「欧洲紀行」
...ただ辰子から放れることだけになつてゐるのだ...
横光利一 「悲しみの代價」
...彼はまだ妻から放れることの出來ない種々な感じ...
横光利一 「悲しみの代價」
...前から俺は俺の友と一人放れる毎に自分の臆病な警戒心がたまらなく不快であつた...
横光利一 「悲しみの代價」
...此の前から一人友達から放れる度にいづれ總ての者が自分から放れて了ふときが來るだらうと思つてゐた...
横光利一 「悲しみの代價」
...自分に飲み込めるまではこれから放れることの出来ぬ性質である...
横光利一 「スフィンクス(覚書)」
...卑弥呼は反絵の胸から放れると...
横光利一 「日輪」
...花江から放れることがとうてい出来そうにもないと強く思った...
横光利一 「馬車」
...思いが現実から放れる喜びというものは...
横光利一 「夜の靴」
...向うの男女の顔の放れるのを待つようにまたじっと眺めつづけて坐っていた...
横光利一 「旅愁」
...ひっ附いていると突き合うくせに放れると心配になる久慈の善良な明るさが...
横光利一 「旅愁」
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