...今日の貧書生が他日王侯の富を擁することもわけはないのである...
大隈重信 「青年の天下」
...藩閥的軍隊的政党が多数を擁するに至ったなら...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...ただもう一途にそれらのものを愛撫し抱擁するのみで...
薄田泣菫 「独楽園」
...尠(すくな)くとも人口十万や二十万は擁する大都市らしく思われた...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...いきなり彼を抱擁する...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...唯だ其の周圍を叢擁する者は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...もう母を抱擁することもないかと思うと...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼女らを抱擁することは許されなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あの音楽師を抱擁するとは!『いや...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...四万の軍勢を擁する今川義元を...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...弟をただならぬ愛情で抱擁すると...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...火葬場の灰になった私を花婿として抱擁するだろうか?...
平林初之輔 「私はかうして死んだ!」
...太閤の遺児秀頼を擁する勢力とが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...広大な敷地建物を擁する中野お犬小屋だの...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...彼の擁する東国の私田の事務でも勤めたがっていた男だからであった...
吉川英治 「平の将門」
...無限の慈悲をもって衆生を抱擁する異国の神は...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...巨富を擁する商人が赤貧の武士に対して富貴なる者に対すると同じように尊敬の態度を取るということは全く珍らしい...
和辻哲郎 「鎖国」
...政権を擁する武士の階級にさえも現世的欲求を捨てて仏法に帰しようとするものが少なくはなかった...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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