...風に揺曳する花びらが美しい...
...ゆらゆらと揺曳するキャンドルの灯りが部屋を優しく照らす...
...揺曳する舟から魚を釣るのが好きだ...
...風に揺曳しながら歩くと気持ちが良い...
...彼女の髪が揺曳する姿に心惹かれた...
...水(みづ)揺(ゆ)りうごく揺曳(ようえい)は黄金(おうごん)...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...灰白の空を支うる寺院の奥に香の煙の揺曳するのを眺めながら...
辰野隆 「雨の日」
...コング・ホウコン号の吐く煙りがながく揺曳(ようえい)して...
谷譲次 「踊る地平線」
...一抹(いちまつ)の紫色がかった雰囲気(ふんいき)がこの盛り花の灰色の団塊の中に揺曳(ようえい)するような気がした...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...そこにいろいろな漠然(ばくぜん)とした類推の幻影のようなものが眼前に揺曳(ようえい)するように感ぜられるのである...
寺田寅彦 「科学と文学」
...聞いていてもなかなかそうは聞きとれないほどにゆっくり音を引延ばして揺曳(ようえい)させて唱う...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...白雲の揺曳(ようえい)する青空に何か一点の黒いものを認めて...
中里介山 「大菩薩峠」
...遥(はる)かに対岸の往来(おうらい)を這(は)い廻る霧の影は次第に濃くなって五階立(だて)の町続きの下からぜんぜんこの揺曳(たなび)くものの裏(うち)に薄れ去って来る...
夏目漱石 「カーライル博物館」
...未来の影を朦朧(もうろう)と罩(こ)め尽すまで濃く揺曳(たなびい)た時...
夏目漱石 「虞美人草」
...荷役の掛声も揺曳(ようえい)していた...
本庄陸男 「石狩川」
...小説や舞台の人物のやうに間断もなく私の脳裡に甘々しく揺曳するのでした...
牧野信一 「早春のひところ」
...ひたすら妻女の上を揺曳してゐた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...彼の作家の頭上には不変一徹の清新な雲が虹をはらんで絶え間なく揺曳してゐるのだ...
牧野信一 「真夏の夜の夢」
...時空を超えた無碍(むげ)の揺曳(ようえい)を...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...明るい枇杷(びわ)色が潮に映じて揺曳(ようえい)する...
柳田国男 「雪国の春」
...揺曳(ようえい)する霧のあいだからときおり燃えるような紅葉が鮮かに見えた...
山本周五郎 「契りきぬ」
...眼に止めがたい幻の揺曳(ようえい)のようにみえ...
山本周五郎 「山彦乙女」
...その無数とも、無限とも数え切れない微生物の大群の一粒一粒には、その透明な身体に、大空の激しい光りを吸収したり反射したりして、或は七色の虹を放ち、又は金銀色の光芒(こうぼう)を散らしつつ、地上最初の生命の自由を享楽しつつ、どこを当ともなく浮游し、旋回し、揺曳しつつ、その瞬間瞬間に分裂し、生滅して行く、その果敢(はか)なさ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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