...やっとのことで躍(おど)り蒐(かか)って蒲団蒸しにして三人の火を揉み消したところと見えた...
橘外男 「生不動」
...すんでのところ火事になりかかったのをその方だけは隣りの乾物屋の親父とかが揉み消してしまったということであった...
橘外男 「生不動」
...その時はなんとでもして揉み消しをする...
橘外男 「仁王門」
...揉み消し得られるものでしょうか? 友達のところから私の家まで...
橘外男 「仁王門」
...彼はすぐさまそれを揉み消して寝床へもぐり込み...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...揉み消してもらうように...
豊島与志雄 「化生のもの」
...それを揉み消し拭き消さんがために...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうした斷片的な思惟の芽を揉み消して行く...
中島敦 「かめれおん日記」
...うやむやに世評を揉み消したいため――」「…………」一座の視線は期せずして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...火鉢には揉み消した短かい火繩が埋めてあつた――主人の胸の傷跡(きずあと)や...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...揉み消してポケットへ入れたか...
久生十蘭 「魔都」
...警察が全力を揮って揉み消したからだ...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...――が、私は、煙草を途中まで喫ふと、火を揉み消して、紙の一端を切り開いて、唾で濡らして――垂直に指先で撮むと、勢ひよく天井を眼がけて投げ付けた...
牧野信一 「妄想患者」
...そりゃお手柄だ」といそいで揉み消した...
宮本百合子 「一太と母」
...靴の先で揉み消し...
宮本百合子 「刻々」
...残った小さいのに蛍のような火の付いているのを「あっちちち」と云いながら指の腹で揉み消している...
矢田津世子 「神楽坂」
...不問に揉み消したくなり気づかせたくはなかった...
横光利一 「旅愁」
...その問題の揉み消し運動やら善後の処置に狂奔しているらしいというのであった...
吉川英治 「親鸞」
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