...及ばずながらもこれが自分の抱懐の一つである...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...暫らくしたら多年の抱懐や計画や野心や宿望が総(すべ)て石鹸玉(シャボンだま)の泡のように消えてしまって索然とするだろう...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...事業と宗教とは自(おのずか)らその性質を異(こと)にするものなりとの観念は普通人間の抱懐する所なり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...幾千年来の吾人の抱懐し来りし理想の実現の時に臨んだ...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...ひそかな期待を抱懐していらして...
太宰治 「愛と美について」
...大事を胸に抱懐しているのであるから...
太宰治 「作家の像」
...同一の志趣を抱懐(ほうかい)しながら...
太宰治 「花吹雪」
...既に誰人の胸にも抱懐されてゐる所である...
中原中也 「詩と現代」
...彼の抱懐するロマンティシズムの新傾向――わけても従来の常規を逸脱し...
野村胡堂 「楽聖物語」
...その一つ一つがシューマンの抱懐(ほうかい)した大浪漫主義の理想を高らかに歌った...
野村胡堂 「楽聖物語」
...諭吉自身が抱懐する政治的見解はこの書のすべての頁(ページ)から最大の注意をもって隠匿(いんとく)された...
服部之総 「福沢諭吉」
...ドニェープルはそれを残らず己が暗黒の胸に抱懐する...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...それは手前の抱懐する主義と医術とに反するからです...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...富も誉れも願わざりけり余ガ年少時代ニ抱懐セシ意見左の一篇は私が年少時代にわが郷里土佐高岡郡佐川町の自宅に於てその当時私の抱懐していた意見を書き附けたもので...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...べつに自己の謀(はかり)とする抱懐(ほうかい)もつぶさに述べて...
吉川英治 「私本太平記」
...いまや天下に為(な)さん抱懐(ほうかい)の緒(しょ)を布(の)ぶるに当って...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼の胸の中にはむしろ壮年時代より大きな抱懐があったのである...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...彼の抱懐している計画はサラマンカ大学に於て審査を受けたが...
和辻哲郎 「鎖国」
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