...折しも欄干越の桂川の流(ながれ)をたたいて...
泉鏡花 「遺稿」
...折しも微吹(そよふ)く風のまにまに...
巌谷小波 「こがね丸」
...ホホホホ」――え?と訝る折しも...
海野十三 「深夜の市長」
...折しも穴を潜ろうとする蠅男の一本の足に素手で飛びついた...
海野十三 「蠅男」
...かゝる折しも我ありぬ小児に踏まれし貝の肉...
中原中也 「山羊の歌」
...折しも騒擾の極に達した往来へ跳び出して行った...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...折しも滿月に近い月は團々として東の山の上にあがつてゐる...
濱田耕作 「温泉雜記」
...今日ぞこの頃(ごろ)など思(おも)ひ出(いづ)る折しも...
樋口一葉 「あきあはせ」
...分娩(ぶんべん)覚束(おぼつか)なしなど人々立騒(たちさわ)げる折しも...
福田英子 「母となる」
...折しも紙襖(ふすま)一ツ隔ててお鍋の声として...
二葉亭四迷 「浮雲」
...折しも其処の裏門よりLet(レット)us(アス)go(ゴー)on(オン)(行こう)ト「日本の」と冠詞の付く英語を叫びながらピョッコリ飛出した者が有る...
二葉亭四迷 「浮雲」
......
槇村浩 「ハンニバル雪のアルプ越」
...折しも庵主の露月は...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...折しも社前の大燈籠の奉納会とやら申しまして...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...折しもその炭坑に火災ありて坑夫あまた地底に燒死したりし慘害の後なりしかば...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...折しも四方に雲が湧き...
夢野久作 「白髪小僧」
...折しも、秋の半ば、帝と皇后の輦(くるま)は長い戟を揃えた御林軍の残兵に守られて、長安の廃墟を後に、曠茫(こうぼう)たる山野の空へと行幸せられた...
吉川英治 「三国志」
...折しも、湖岸(きしべ)に此珍事を傍観(み)て居た人があつて、艪(ろ)で、其艪で殺しておしまひなさい、頭をなぐつてお遣(や)んなさい!母は大骨折つて、やつと、此大鱒を打殺し升た...
若松賎子 「鼻で鱒を釣つた話(実事)」
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