...彼は時計がもう午前三時になっているのに気がつかないで側(かたわ)らの棚から手文庫を下ろした...
海野十三 「軍用鼠」
...鏡を手文庫ごと窓外に放りだした...
海野十三 「軍用鼠」
...手文庫の一隅(いちぐう)に立ててあった二〇入(いり)の硝子壜(ガラスびん)だった...
海野十三 「夜泣き鉄骨」
...みんな新聞を切りぬいて手文庫へしまつて置くといふ風の男だつた...
薄田泣菫 「茶話」
...手文庫のなかから横文字の手紙をどつさり持ち出して来た...
薄田泣菫 「茶話」
...ところでです――じつにこの手文庫からして...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...くだんの手文庫に發見された彼の作品は百篇に垂んとするといった始末でしてね――もっとも五年の月日でしたからなあ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...手文庫の中の二品を狙ったのなら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それが少しの油斷から手文庫の傳授書を奪はれ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...伜をけしかけて私の手文庫から...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...手文庫から自分の入れた証文だけを抜いて行くはずはない」平次はつづけました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「その財布は今でも私の手文庫の中にあるし...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...書き役の手文庫から抽斗(ひきだし)...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私はよく手文庫の中から私の家族の写真を取り出しては...
堀辰雄 「花を持てる女」
...久良に会ふ時にだけ容れ換へる二円五十銭のものを手文庫に蔵して棚にあげてあつたが...
牧野信一 「木枯の吹くころ」
...戸納の手文庫の中から...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...武器の貯蔵庫は分散しという」徹之助は手文庫の中から...
山本周五郎 「風流太平記」
...ほんとか」何濤(かとう)は、奥へ馳けこんで、手文庫の内から、銀子(ぎんす)十両を持ってきて、弟の膳のそばへ、ぽんと置いた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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