...上体をひねって棚(たな)の上から手文庫を取りおろした...
有島武郎 「或る女」
...彼れは枕頭(まくらもと)の手文庫をかゝへて走り出しましたが...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...見せるものがあるんだ」明智は手文庫の中から...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...多分娘の手文庫の中にございましょうから」そうして伯母は問題の葉書というのを探し出して来ました...
江戸川乱歩 「黒手組」
...」先輩は笑いながら手文庫を持ち出し...
太宰治 「誰」
...貞之助が夫婦の寝室になっている二階の八畳へ机や手文庫や書棚(しょだな)の一部などを運び...
谷崎潤一郎 「細雪」
...くだんの手文庫に發見された彼の作品は百篇に垂んとするといった始末でしてね――もっとも五年の月日でしたからなあ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...手文庫の蓋を開いた夫の氣持が...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...安倍丹之丞が、上の御用で駿府に行ったのは半歳前、江戸を出発しようという時、さすがに、悪智恵の逞(たくま)しい従弟や、妾のお勝に任せておくのは不安だったものか、家康公の御墨付一封と、これも拝領物の安倍家重代の宝物、郷義弘(ごうのよしひろ)の短刀――金銀作りの見事な拵えのまま、手文庫に納めて、用人石田清左衛門に預けました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「其方に預けた手文庫はどうした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「殿お側の御手文庫に入れてあつた筈で御座います」「それほど大事な品を?」「御參覲の度毎に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次は下職に仲吉の手文庫を持つて來させ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...父上の手文庫から中條流の傳授書を持出し...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...死んだ荘左衛門の手文庫の中に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...狙ひはそれだつたのさ――手文庫の中には繪圖面があつた筈だ」「へエ?」「お前は通三丁目の井筒屋へ飛んで行つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その手文庫を調べますと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...松平肥後守の手文庫のなかには...
服部之総 「新撰組」
...路銀のたしに納めてくだされ」手文庫の貧しい中から...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索