...なんとも言えず昔懐かしい気がする...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...○何といふおとなしい犬だらう、上品で無口で、人懐かしい、犬小屋は樹明君がいつか持つてきた兎箱、二つに仕切つてあるから一つは寝室で、一つは食堂、そこには碗一個と古筵一枚、――それで万事OKだ!水音がどこかにある、虫の声が流れるやうだ、溢れてこぼれるやうだ、寝覚はさびしい、しかしわるくない...
種田山頭火 「其中日記」
...やっと懐かしい姿が現われた...
種田山頭火 「鉄鉢と魚籃と」
...何という懐かしい想いをさする女だろう! 悪い男があればあっても面白い! と...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...懐かしいしやぎりや舞台裏の木の音に気を好くしてゐる時の方が生(い)き効(がひ)があるやうに思へた...
徳田秋声 「のらもの」
...何かしら懐かしい心でその高燈籠の下に立って...
中里介山 「大菩薩峠」
...多少の昔懐かしいものさえ湧いて来て歓迎する...
中里介山 「大菩薩峠」
...昔々の懐かしい家の匂(にお)いを歌うのだった...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...懐かしい女の香(か)が芬(ぷん)とする...
二葉亭四迷 「平凡」
...そして何んとなく懐かしい感じがする花である事は辞(いな)み難い...
牧野富太郎 「植物記」
...私はウラスマルが曾て不図(ふと)口走つた次の如き言葉の断片を懐かしい感じの内に想起し得る...
松永延造 「アリア人の孤独」
...大きくなってこんな土曜の夜を思い出したらどんなに懐かしいでしょうね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...何とはなしに懐かしい人柄だと思い初(そ)めた...
森鴎外 「雁」
...そうしてお懐かしいお胸に縋(すが)って...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...懐かしいような気がして暫く立っていて見た...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...想う人の姉と聞くからに懐かしいのに...
吉川英治 「宮本武蔵」
...全機懐かしい南方基地に到着...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...じつに懐かしいし...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
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