...どんな野蛮な人間にもきつと憐れみの心を起させる筈のものなのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...御身を放胆ならしめざるよう……御身がいよいよ失策を重ねて我らの憐れみとならざるよう自らを警戒せん...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...わしはお師匠様のお顔を見てお気の毒とかお可哀(かわい)そうとか思ったことは一遍(いっぺん)もないぞお師匠様に比べると眼明きの方がみじめだぞお師匠様があのご気象とご器量で何で人の憐れみを求められよう佐助どんは可哀そうじゃとかえってわしを憐れんで下すったものじゃ...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...虫の息のような細い声で憐れみを乞うた...
谷崎潤一郎 「少年」
...不運を憐れみ菩提(ぼだい)を弔う慈悲ある敵もあらず...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...いかにキリスト教の感化は広大無辺なるにせよ、いかに仏法の功徳はたくさんなるにせよ、かのキリストの愛も、釈迦の憐れみも、もし自家の利益と他の利益と併立・併進・併行せざる限りは、火中に油を投ずるがごとく、かえってますます炎々の勢焔(せいえん)を加うるに過ぎざるべし...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...群集は憐れみの念でいっぱいになって...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...小さな憐れみの食のために手を差出さないがいい...
豊島与志雄 「旅人の言」
...なるほど孤児はボロをまとい、あかにまみれ、哀れな格好をしているから、憐れみ、さげすみ、下に見るにふさわしいようであるけれども、この哀れな格好になったのは、大人の路上生活者と違って、自己の過失によって招いたのではない...
永井隆 「この子を残して」
...まるで憐れみでも乞ふかのやうに疲れきつた眼をあげて...
牧野信一 「海路」
...憐れみを乞ふのか判断もつかぬが...
牧野信一 「鬼涙村」
...私に憐れみを乞うている如くにさえ見えた...
松永延造 「職工と微笑」
...降参して彼らの憐れみや同情に訴えることである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...よし彼女たちがただ憐れみによってのみ我々に親切をつくすことがあるとしても...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...小生等は繰り返し繰り返し憐れみ語り合っております...
夢野久作 「少女地獄」
...一様に呉氏の生き甲斐のない姿を憐れみ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...いかに彼が焦心(あせ)っているかを憐れみながら...
吉川英治 「新書太閤記」
...憐れみ合うかのごとく...
吉川英治 「新書太閤記」
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