...じっとひとりで胸の中に湛(たた)えているような性情(せいじょう)にある憐れみさえを感じているのだ...
有島武郎 「親子」
...どんな野蛮な人間にもきつと憐れみの心を起させる筈のものなのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...わしはお師匠様のお顔を見てお気の毒とかお可哀(かわい)そうとか思ったことは一遍(いっぺん)もないぞお師匠様に比べると眼明きの方がみじめだぞお師匠様があのご気象とご器量で何で人の憐れみを求められよう佐助どんは可哀そうじゃとかえってわしを憐れんで下すったものじゃ...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...強い憐れみの念に胸の底までかきむしられ...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...大人たちからは侮辱的な憐れみを受け...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...眇(びょう)たる一粟(いちぞく)のわが身を憐れみ...
中里介山 「大菩薩峠」
...神よ私をお憐れみ下さい!この私の弱い骨を...
中原中也 「寒い夜の自我像」
...『まりあ』に憐れみを乞ふお祷(いの)りの歌です...
長與善郎 「青銅の基督」
...彼女の様子は彼に憐れみを催させた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...何となく子供の痛みを憐れみ...
福沢諭吉 「家庭習慣の教えを論ず」
...マンネリズムにおち入つて云々といふことを尾崎士郎君が好意と憐れみをもつて鞭撻してゐたが...
牧野信一 「半島の果にて」
...ついにすこしも憐れみをそそがれなかった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...汝また嘗て豊公の憐れみを受く...
山本周五郎 「新潮記」
...五代将軍家のお布令(ふれ)による厳しい“畜類おん憐れみ”の禁令にふれ...
吉川英治 「大岡越前」
...行くごとに民を憐れみ...
吉川英治 「三国志」
...憐れみを感ずるらしいが...
吉川英治 「私本太平記」
...おたがいを憐れみながら...
吉川英治 「新書太閤記」
...いかに彼が焦心(あせ)っているかを憐れみながら...
吉川英治 「新書太閤記」
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