...その将軍家を御一枚の御親書によつて百の霹靂に逢ひし時よりも強く震撼せしめ恐懼せしめ感泣せしめるお方の御威徳の高さのほどは...
太宰治 「右大臣実朝」
...その破格の御朝恩に感泣いたすべきところを尼御台さまは...
太宰治 「右大臣実朝」
...その友情は私を感泣さした...
種田山頭火 「其中日記」
...すべての点に於て、私の分には過ぎたる栖家である、私は感泣して、すなおにつつましく私の寝床をここにこしらえた...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...重病の身を床より起して感泣して御挨拶を申上げた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...投地礼拝して感泣するよりほかはございません...
中里介山 「大菩薩峠」
...感泣はしているようなものの忘れちまったんだから仕方がない」兄妹は隔(へだて)なき眼と眼を見合せた...
夏目漱石 「虞美人草」
...感泣を禁じ得ない...
羽田亨 「賢所御神樂の儀」
...仮令(たと)い死後にても草葉の蔭より大賛成を表して知友の美挙に感泣することあるべし...
福澤諭吉 「人生の楽事」
...殊(こと)にお登和さんの事が極まって中川君同胞(きょうだい)が僕のためにそれほどまで尽力せられると聞いては僕も感泣(かんきゅう)してその恩に酬(むく)ゆるつもりだ...
村井弦斎 「食道楽」
...我兄迄感泣之万一を申上候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...今日まで幾千万の人々をして人類愛に感泣せしめつつある婦人がありました...
夢野久作 「鼻の表現」
...司馬懿は、感泣して、「勅命をもうけず、早々、途上において戦端をひらき、僭上(せんじょう)の罪かろからずと、ひそかに恐懼(きょうく)しておりましたのに、もったいない御諚をたまわり、臣は身のおくところも存じませぬ」と、ひれ伏した...
吉川英治 「三国志」
...で、勅使は、折の悪いのを察して、(ご混雑のご様子なれば)と、対面を略して都へ帰ろうとしたところ、信秀は、(綸旨(りんじ)に畏れ多し)と、常のとおり礼を正して迎えた上、草莽(そうもう)の臣下の微志に対して、叡慮(えいりょ)のほど勿体ないと、感泣した...
吉川英治 「新書太閤記」
...「…………」信長は、感泣していた...
吉川英治 「新書太閤記」
...感泣(かんきゅう)しておりまする...
吉川英治 「新書太閤記」
...感泣にふるえるがごとき姿をした...
吉川英治 「新・水滸伝」
...師恩に感泣しました――師の病床についていた草薙天鬼...
吉川英治 「宮本武蔵」
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