...お前は何か知つてゐるのか老人は気ちがひになつてしまふ一日ぢゆうこの砕けた岩と荒い茨の木と愚かしい一つの顔を眺めて話しかけても何の返事もきかれないでは青年(この老人の言葉のあひだに見物の中を通つて登場)それでは私に話をしてくれわかい者は老人よりなほさら辛抱づよくはない私はもう半日もこの岩山を踏み歩いたが求めに来たものを見つけ出せない老人誰だ...
ウイリヤム・バトラ・イエーツ 松村みね子訳 「鷹の井戸(一幕)」
...その人が愚かしい人だから愚問を連発するというわけではない...
太宰治 「散華」
...「私は自分の愚かしい無知のお陰で本当に辛くも堕落を免れたのね...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「長い部屋」
...われながら愚かしい...
近松秋江 「狂乱」
...のこのこ嫁入り先へやって来た男の愚かしい心持が腹立たしいようであったが...
徳田秋声 「足迹」
...ただ虫のように愚かしい弱々しい心が...
豊島与志雄 「一つの愛情」
...それを愚かしいと思うが――」牧は...
直木三十五 「南国太平記」
...肥ってこそいたが、うす汚い、愚かしい顔付の、平凡な島民の子である...
中島敦 「環礁」
...(14)愚かしい者ども知恵(ちえ)の結晶をもとめては大空のめぐる中でくさぐさの論を立てた...
オマル・ハイヤーム 'Umar Khaiyam 小川亮作訳 「ルバイヤート」
...どうかすると、その街が何ごともなく無疵(むきず)のまま残されること、――そんな虫のいい、愚かしいことも、やはり考え浮ぶのではあった...
原民喜 「壊滅の序曲」
...わたしたちにふりかかったあの愚かしい不正を笑うのでなければ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...冷淡さと生まれつきの性悪さとが発見するもっとも愚かしいいつわりであった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「断食芸人」
...寧ろ愚かしい謙遜に囚はれてゐたに相違ない...
牧野信一 「思ひ出した事(松竹座)」
...あざむかれる妻ほど哀れに愚かしいものがあろうか...
「今朝の雪」
...愚かしい殺し合いのために...
三好十郎 「肌の匂い」
...愚かしい親切である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...取り返されぬ昔を愚かしいまでに残念に思った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...おもえばおれも愚かしい...
吉川英治 「新・水滸伝」
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