...――と云ふよりも寧(むし)ろ恵まれることを潔(いさぎよ)しとしない美徳である...
芥川龍之介 「僻見」
...私たちはいくつ取つても/\たりないほど沢山のものに恵まれることが出来るのです...
伊藤野枝 「九州より」
...ぐつすりとようねむれた、享楽情調を去つて感謝気分に入るとき、安眠は恵まれる...
種田山頭火 「其中日記」
...それから恵まれることを断念して...
中里介山 「大菩薩峠」
...江州人は地の不利に恵まれるというわけですな...
中里介山 「大菩薩峠」
...もとより、それは素質とも相関係しましょう」「もちろん、天の時、地の利と言いますが、江州人には、天の不祥時と地の不利益の場合に、恵まれるのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...潤沢(じゅんたく)な学費を恵まれるわけにいかず...
野村胡堂 「楽聖物語」
...『第一の場合』即ち自然死に恵まれることでしょう」「嘘だ...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...君の監視者がきまったときのように幸運に恵まれるなら...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...一瞬たりとも平和と落ち着きに恵まれることはないだろうからである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...また恵まれる時も来るもので...
宮城道雄 「私の若い頃」
...今生において捉え得る機会に恵まれるかもしれない...
柳田国男 「海上の道」
...其(その)雑誌の中の自分の詩の部分の抄本を幾十部か恵まれるのが最も好く酬(むく)いられた物だとヌエは語つた...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...朝夕一椀ずつの粥(かゆ)を守人から恵まれる他(ほか)...
吉川英治 「剣の四君子」
...その悪性が善性となる転機に恵まれることを願いもし...
吉川英治 「親鸞」
...人から物を恵まれるのは...
吉川英治 「宮本武蔵」
...便りもなかった人の――天来の機縁に恵まれるものではないか...
吉川英治 「宮本武蔵」
...人生の偉大と豊饒とは畢竟心貧しき者の上に恵まれるでしょう...
和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
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