...靜子は故なき兄の疑ひと怒が、口惜しい、恨めしい、辯解をしようにも喉が塞つて、たゞ堅く/\袖を噛んだが、それでも泣き聲が洩れる...
石川啄木 「鳥影」
...噫恨めしいその香はどこからして來るんだらう...
レミ・ドゥ・グルモン Remy de Gourmont 上田敏訳 「わるい花」
...あまりにお上(かみ)のなされかたが恨めしいと思うことがある...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...こっちが恨めしいくらいだ」「迷亭はあの時分から法螺吹(ほらふき)だったな」と主人は羊羹(ようかん)を食い了(おわ)って再び二人の話の中に割り込んで来る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「いとどしく虫の音(ね)しげき浅茅生(あさぢふ)に露置き添ふる雲の上人(うへびと)かえって御訪問が恨めしいと申し上げたいほどです」と未亡人は女房に言わせた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...恨めしい理由をみずから追究して考えていくことが苦痛らしかったから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...源氏は自分に対して空蝉の冷淡なのは恨めしいが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...さすがに恨めしい人の姿が待たれるというのも恋する人の弱さではなかろうか...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...夫人は恨めしい心を抱きながら見送っているのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...恨めしい因縁のさすがに浅くないことも思って歎く女はどう取り扱っていいかと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「伯父(おじ)様の態度が恨めしいから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...年月がたてばたつほど口惜(くちお)しく恨めしい思いがつのっていくばかりで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ひどいことをする恨めしい人たちであると宮は女房をお思いになり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...どなたもおしらせくださらなかったのが恨めしい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...しかさせた運命が恨めしいと中の君は思うのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...恨めしい方の心と比べてみて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...恨めしいことも起こりそうに予想されることよりもこの中納言の恋を中の君は苦しいことに思った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それとなく自分の恋を退ける手段として中の君の考えついたことであろうと想像される点では恨めしいのであったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??