...もう一度恐る恐る繰り返した...
芥川龍之介 「馬の脚」
...すぐにまた哀訴するような眼なざしを恐る恐る泰さんの顔へ挙げて...
芥川龍之介 「妖婆」
...「わたし、……わたしは……字を知りません」阿Qは筆をむんずと掴んで愧(はず)かしそうに、恐る恐る言った...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...恐る恐るバラックの入口をくぐった...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...一応御伺い致されたか」源之丞は恐る恐る...
江見水蔭 「備前天一坊」
...君を中傷したものだ」神中は恐る恐るその新聞に眼をやった...
田中貢太郎 「雀が森の怪異」
...「お待ちに、ござりまするが」三度目の使が、襖外で、恐る恐る、声をかけた...
直木三十五 「南国太平記」
...恐る恐る聞くと「名越殿へ参る」七瀬が立上った...
直木三十五 「南国太平記」
...やはり恐る恐る萌黄包(もえぎづつみ)の長い箱を差出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...鶴寿堂でございますが」恐る恐る中を覗いて見たが陰深として暗い...
中里介山 「大菩薩峠」
...恐る恐る牛肉を食ってみたが...
中谷宇吉郎 「ジストマ退治の話」
...御絵の方は?」左京が恐る恐る訊くと...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...恐る恐る外から閉めたままの家の中を覗いております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...恐る恐る鍋を突ついたのであるが...
古川緑波 「牛鍋からすき焼へ」
...お里は恐る恐る先刻の半襟店の飾窓に目をやつた...
水野仙子 「神樂阪の半襟」
...二ヶ村言い合せ斧鍬など携えて恐る恐る往き見れば石なり...
南方熊楠 「十二支考」
...そうして看護婦が持って来た塩水で恐る恐る含嗽(うがい)をして...
夢野久作 「霊感!」
...襲い来る存在の方を恐る恐るちらっと振り返った我々は...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
便利!手書き漢字入力検索