...心憎い気のするものであった...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...自然というものは心憎い姿を持っている」清逸はどんどん流れてゆく河の水を見つめながらこんなことを考えた...
有島武郎 「星座」
...折々心憎い事をいうので読者の注意を牽いた...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...れいの心憎いまでの怜悧(れいり)無情の心で次のように述べてあります...
太宰治 「女の決闘」
...実に心憎い程の切れ味を有った叙述なのである...
戸坂潤 「読書法」
...心憎いいたずらには相違ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを神尾は多少心憎いと思いながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...東海道名代の名物を自分の垣根に取込んでしまうなどは心憎い...
中里介山 「大菩薩峠」
...やはり心憎いものだと見ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...良人(おっと)の頑固(かたくな)な態度が心憎いと思う様子で...
野村胡堂 「葬送行進曲」
...心憎いまで巧緻に採り入れられて弾かれた...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...心憎いまで、およそ意気なお客のこのやり方、昔の東京人士で温泉の一つへもつからうと云ふ手合は、みなかうしたリファインされた市井文化人だつたのだ...
正岡容 「落語家温泉録」
...今夜も若竹の濡れた敷石を踏んで来れば……」と心憎いほど気の利いた文字が杢太郎もどきに添えられてゐる...
正岡容 「山の手歳事記」
...たしかにこの演出のほうが心憎いほど我々に水尾曳いてのこる余韻がある...
正岡容 「我が圓朝研究」
...心憎いほどの空薫(そらだ)きをさせたり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...心憎い首尾をする恋仲よとも思いましたぞえ」「もっての他」新九郎は慌てて打ち消しながら...
吉川英治 「剣難女難」
...なんとも心憎いことに...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...それが心憎いばかり巧妙に「手」を現わしている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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