...心ひそかに父母の死期の早からんことを祈るがごとき弊...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...とはぶしつけな奴と内心ひそかに呆(あき)れ申候...
太宰治 「花吹雪」
...なんとか補いをつけようと心ひそかに健康法を案じている様子である...
太宰治 「春の盗賊」
...庸三は心ひそかに少しばかりの狼狽(ろうばい)を感じないわけに行かなかったが...
徳田秋声 「仮装人物」
...わたしは心ひそかに自分の観察眼を...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...心ひそかに自分の守り本尊のように信じていたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...心ひそかに思慕の恋情を寄せ...
萩原朔太郎 「月の詩情」
...彼は心ひそかに思った...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...私はもう一日々心ひそかに待つたものがあつたのでした...
水野仙子 「道」
...あの不幸な母のためにも心ひそかに祈れると思ったからである...
室生犀星 「幼年時代」
...そして今宵(こよい)――もう三十になったわが子を見てもなお、心ひそかに、陽なたの竹に育てたという悔(く)いをにじませている胸を察しると、宗矩は必然に、「まだどこか、自分が至らないからである...
吉川英治 「剣の四君子」
...……あははは、浅慮者(あさはかもの)がやりそうなことだろう」この時から曹操も、心ひそかに、いずれ長くは生かしておけぬ者と、袁譚に対する殺意をかためていた...
吉川英治 「三国志」
...心ひそかに誓っていた心は...
吉川英治 「三国志」
...やがての大成を心ひそかに楽しみと見ているような孔明の気持だったのである...
吉川英治 「三国志」
...郭淮は大いに驚き、心ひそかに、われ到底この人に及ばずと、内に入って対面を遂げ、心服をあらわして敬拝した...
吉川英治 「三国志」
...かれは少女のふしぎな行動を見て、ははアこれは伊那丸君(いなまるぎみ)を救おうという者だナ、と直覚したが、なにしろ、梅雪の警固(けいご)には、四天王(てんのう)をはじめ、手ごわい旗本(はたもと)や郎党(ろうどう)が百人近くもついているので、あくまで入道(にゅうどう)をゆだんさせるため、奇計をもって咲耶子(さくやこ)を生けどり、なお、心ひそかに、待つ者がくるひまつぶしに、この湖水までおびきよせたのだ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...家康もまた、心ひそかに、満足を抱いた...
吉川英治 「新書太閤記」
...問題は――かれが心ひそかに待っていた蜂須賀家の剔抉(てっけつ)であった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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