...ハイカラの若者――銀行員だらう――が得意げに...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...呑牛はそれを得意げに氷峰に讀んで聽かせ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...内容貧弱の健全や偉大を得意げに看板にするのを...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...いまは頗(すこぶ)る得意げであった...
太宰治 「狂言の神」
...たとえばマレーフスキイが、まるで狐(きつね)みたいに狡そうに肩を揺(ゆ)すりながら、彼女のそばへ寄って行って、彼女の掛けている椅子(いす)の背に、伊達(だて)な格好(かっこう)をしてもたれかかり、さも得意げな、追従(ついしょう)たらたらの薄笑(うすわら)いを浮(うか)べながら、彼女の耳に何かささやきだす...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...さも得意げに『機會』という言葉にわざと力を入れながら述べ立てた...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...クリストフは得意げにオリヴィエに言った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...はいどうどう……」と甚兵衛は得意げに馬の手綱(たずな)をさばきました...
豊島与志雄 「天下一の馬」
...兎に角受納被成度……」と書いていった時の伯父の得意げな大様な顔付を...
豊島与志雄 「未来の天才」
...小森はそこへ来ると得意げに挨拶する...
中里介山 「大菩薩峠」
...あいつらの得意げな面(つら)を見ろ...
中里介山 「大菩薩峠」
...それを囲繞(とりま)く人群の前の方には気取屋連が得意げで...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...得意げな様子で嗅煙草を鼻に詰め込んでゐる...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「十三時」
...母は得意げな手つきで軽く球を回してすぐに指でおさえた...
牧野信一 「地球儀」
...幾人かの友へ向つて稍々得意げなる手紙を書くであらう...
牧野信一 「ユリイカ・独言」
...放蕩詩人……これが僕とバイロン卿との最初の会見だった彼は入ってくるや否や羽根つきの帽子を子供のように左から右へ得意げにうちふりながら踵の先へまっすぐに猪首を立て舞台の友田恭助のように 尊大げに口を切った「われ/\の作りあげた浪漫的精神とそのために必要な義憤と昂奮と...
槇村浩 「長詩」
...その息子がたった今打ち果したばかりの敵王ピュロスの首をさも得意げに自分の前に差し出したのを見て...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...伊兵衛は例の阿佐ヶ谷組の神楽師(かぐらし)の仲間にまじって、いかにもいい気持そうに、また得意げに、笛の高音を張りあげております...
吉川英治 「江戸三国志」
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