...あたかも何物かを待ち受けるように...
芥川龍之介 「偸盗」
...急にさう云はれて何かを待ち受けるやうな緊張した顔に戻つた...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...茶人の一行を待ち受ける事にした...
薄田泣菫 「茶話」
...「港入りした連中をこの手紙が待ち受ける...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...どうも見栄(みえ)を切って大向うの掛声を待ち受けるものの如くにしか見えなかったので...
中里介山 「生前身後の事」
...正面をきって彼等を待ち受けるよりほかは身動きのならぬ立場に至ってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...又それ程待ち受ける位なら...
夏目漱石 「それから」
...これを待ち受ける父の方にあるべき筈(はず)であった...
夏目漱石 「それから」
...しかし由雄の返事を待ち受ける位地に立たせられたお延から見れば...
夏目漱石 「明暗」
...そうして彼女の帰りを待ち受ける時間を談話で繋(つな)いだ...
夏目漱石 「明暗」
...「こうしておけばそれでいいでしょう」津田に話しかけたお秀は暗(あん)にお延の返事を待ち受けるらしかった...
夏目漱石 「明暗」
...百八十二返事を待ち受ける間の津田は居据(いすわ)りの悪い置物のように落ちつかなかった...
夏目漱石 「明暗」
...判然(はっきり)した答を津田から待ち受けるような予期の光が射した...
夏目漱石 「明暗」
...彼方より來るものを迎へ待ち受ける主體の態度において將來は成立つ...
波多野精一 「時と永遠」
...何事かを待ち受けるかのように眼を伏せて黙然としている...
久生十蘭 「魔都」
...闇を裂いて鳴り渡る非常汽笛の音を恐しく待ち受けるやうに...
水野仙子 「輝ける朝」
...県々(あがたあがた)の使者を待ち受けるのだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...午後に来る少年を待ち受ける...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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