...文壇的野心の欝勃としていた当初は左(と)も右(か)く...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...しかし当初は、父祖の業を継(つ)ぐ目的で丁稚奉公に住み込んだ身の将来これを本職にしようという覚悟(かくご)も自信もあったのではなかったただ春琴に忠実である余り彼女の好むところのものを己(おの)れも好むようになりそれが昂(こう)じた結果であり音曲をもって彼女の愛を得る手段に供しようなどの心すらもなかったことは、彼女にさえ極力秘していた一事をもって明かである...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...原爆当初は、生計を失い、死者に囲まれ、苦難と悲歎の底に沈み、もう生きるのもたくさんだとの思いをした人もあったろう...
豊島与志雄 「ヒロシマの声」
...もとより当初は、来(きた)る者拒まず、という解放主義でなければ人が集まらないという理由の下に、人を入れに入れたものですから、そういう検討をする遑(いとま)がなかった...
中里介山 「大菩薩峠」
...少くとも当初は最もエジプト的に特長づけられていた筈なのに...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...当初は寒さをしのぐためのものであつたに相違ないのが...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...当初はかくの如き人民の相互担保によって維持せられ...
穂積陳重 「法窓夜話」
...その事を知った当初は...
堀辰雄 「ほととぎす」
...当初は汚水を処理するために導入されたが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の土壌」
...ロンドンへ来た当初は銀行預金もたくさんあり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...新植民地の建設当初は...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...弟子入り当初は相当手きびしく試された...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...これもまた当初は男鹿人の地方神の...
柳田国男 「雪国の春」
...その当初は選挙といっても全然暴力選挙のダイナマイト・ドン時代で...
夢野久作 「近世快人伝」
...当初はおもむろに...
吉川英治 「三国志」
...――当初は彼も自信し...
吉川英治 「私本太平記」
...江戸へ来た当初は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...当初は私どものために計(はから)ってくれました...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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