...御自身の為は勿論一般のためにも片時も早く御出京御尽力無之ては国民の具眼者義人に対して何とも申訳け之なく……又弁護士諸君に対しても余り放てき主義にて尽力の甲斐も張り合いも減じ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...生活に張り合いが無かったからだ...
太宰治 「正義と微笑」
...どんなに張り合いのあった事でしょう...
太宰治 「千代女」
...それは、病人の突然の死去によって当分の間いろいろな家事上の雑務が生じ、多忙であったからでもあるが、彼の死の結果として、さしあたり先を書き継ぐ興味が、―――というか、張り合いが、というか、―――なくなったからでもある...
谷崎潤一郎 「鍵」
...四面楚歌(そか)のなかで生きている張り合いもないような気もした...
徳田秋声 「仮装人物」
...何時も新らしい気分で生きてゆくと張り合いがあるような気がしますね...
豊島与志雄 「恩人」
...張り合いぬけのした気持で...
豊島与志雄 「狐火」
...張り合いのない真剣さだ...
豊島与志雄 「ものの影」
...生き埋めとはまた張り合いのない...
永井隆 「長崎の鐘」
...いわば張り合いの無い仕事であるが...
中谷宇吉郎 「石碑」
...張り合いのあるものにしたことであろうか...
野村胡堂 「楽聖物語」
...大いに生活の張り合いでもあり...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...私は少々張り合い抜けがした...
松濤明 「一つのエチケット」
...貴族がたのりっぱな姫君がお出にならないではこちらも張り合いのないことになる」と言って...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...チョット張り合い抜けがしたのが可笑(おか)しかったのであろう...
夢野久作 「一足お先に」
...東野は久慈と矢代の張り合いがいつ果てるとも分らぬのを感じたのであろう...
横光利一 「旅愁」
...そもじの幸福を見たいのが張り合いでもある...
吉川英治 「新書太閤記」
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