...この二人で兩方を引き分けた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「今日までは、何人にも知れずに済みましたが、このさき、どんなことで露われるか判りません、もしそんなことになると、お父さんはああいったような厳格な方だから、どんなに怒るか判りません、私は覚悟をきめておりますから、引き分けられて、一室に監禁せられても諦めますが、あなたの御身分にかかわりますから、二人でどこかへ往って、人の目に著かない処で、静かに暮そうじゃありませんか」「そうです、私もそう思っていたのですが、これという知己(しりあい)の者がなくて困っております、ただ私の家にもと使っていた金栄(きんえい)という男が、鎮江で百姓をしているということを父から聞いてますが、それは義理がたい男だそうですから、それでもたよって往ってみようじゃありませんか」二人はその朝の五更の頃、そっと家を逃げだして、瓜州(かしゅう)から揚子江の流れを渡り、鎮江府の丹陽(たんよう)へ往って、目ざしている金栄の家のことを聞いてみるとすぐ判った...
田中貢太郎 「金鳳釵記」
...引き分けられてもなお...
壺井栄 「赤いステッキ」
...これは両方を散らさぬ先に引き分けるが上分別(じょうふんべつ)とは思い浮んだけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...行司はつと立つて竹刀の中へ割込んだが「この勝負は行司預りおきますと引き分けてしまつた...
長塚節 「撃劍興行」
...どう手を付けて引き分けていいか分らない...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...無理に引き分けようとする途端(とたん)にだれか知らないが...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...私たちは、引き分けられた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...引き分けにすべきだと賭け手たちが言い出し...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...賭け手の多くが引き分けを要求したのは...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...」クナアクは二人を引き分けた上...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...「わあん! わあん!」「ひい、ひい、ひい!」と、引き分けられて、泣きわめく、女房、乳母!主人は主人で怒号している...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...冷たい手に引き分けられてしまった少年の日の恋の思い出を語っていたが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...負けるくせに辛抱づよく闘ふ鉄は引き分けてやつても戦ひを挑んできかなかつた...
室生犀星 「鉄の死」
...互ひ互ひを一層はやく引き分けるのを待つてゐる間...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...引き分ける潮どきばかりうかがっていた...
吉川英治 「私本太平記」
...すぐに宮内が馳(か)けつけて引き分けてくれたからこそ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...長い垂れ幕もまた静かに引き分けられた...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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