...九底光りのする雲母色(きららいろ)の雨雲が縫い目なしにどんよりと重く空いっぱいにはだかって...
有島武郎 「或る女」
...底光りする目差しで島田をじッと見つめた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...左を見れば一面の菜の花が鬱金の底光りをあげていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...底光りして来るようにも思われますが...
太宰治 「女の決闘」
...金地の紙の表面がゆっくりと大きく底光りする...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...つやつやと拭(ふ)き込んだ栂(とが)の柱が底光りをしていようと云う...
谷崎潤一郎 「細雪」
...厨子(ずし)に入れられた古い仏像の円光のようにくすんだ底光りを放つものがある...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...目に潤(うる)んだ底光りがしていた...
徳田秋声 「仮装人物」
...キミ子の眼が底光りを帯びて...
豊島与志雄 「立枯れ」
...あの男の黒い底光りのする眼が何処からか覗いていた...
豊島与志雄 「微笑」
...それが羨(せん)道から洩れる薄明りで妙に底光りしている...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...冷たく、底光りがして、あらゆる情熱を眞珠(しんじゆ)に押し包んだやうな、不思議な娘です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...色のどす黒い、細い眼の奥が、鳶(とび)のように、底光りしている、中肉中背の男である...
火野葦平 「花と龍」
...底光りのする歌ごゑがすつかり耳についてしまつてゐる...
堀辰雄 「ゲエテの「冬のハルツに旅す」」
...さすがに底光りのする目がだらしなくトロンとして...
正岡容 「寄席」
...その理由が」私は正木博士の底光りする眼を凝視(みつ)めたまま...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...底光りにびかびかしてるよ...
横光利一 「旅愁」
...――ふいに枕から顔を上げてどこかを見まわす彼のひとみは底光りがしていた...
吉川英治 「親鸞」
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