...あれは昭和十六年の暮であったか...
太宰治 「未帰還の友に」
...何を食べてもおいしくなつた事年の暮年くれぬ笠きて草鞋はきながら冬ごもり冬ごもりまたよりそはむこの柱□月と緑平と私と酒...
種田山頭火 「其中日記」
...通りの角(かど)には年の暮れの市が立った...
田山花袋 「田舎教師」
...――それは四年前の年の暮...
豊島与志雄 「好意」
...去年の暮に年が越されない苦しまぎれに...
夏目漱石 「創作家の態度」
...年の暮に間もない左右の見世先(みせさき)に...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...去年の暮に、水銀を湯呑の中から見付けたのも又次郎さ、――昨夜(ゆうべ)煙草を買いに出たついでに、何をしたか解ったものじゃねえ、一応調べるに不思議があるものか」漏れて来るのは、ガラッ八の大啖呵(おおたんか)です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...望み手があつて賣つたんで」「何?手前(てめえ)の脇差を賣つた?」「へエ――去年の暮...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一昨年の暮からですから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...とう/\慶応三年の暮(くれ)になって...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...今年の暮は去年のような事もあるまい...
二葉亭四迷 「平凡」
...去年の暮に會つた時とは氣のせゐかぐつと大人(おとな)びてゐた...
正宗白鳥 「孫だち」
...一九三〇年の暮日本プロレタリア作家同盟に参加し...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第四巻)」
...意気も張りもなくなったのは何のためだ?……去年の暮れの...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...あの中川さんのお妹子(いもとご)さんが去年の暮にお国から出ておいでなすったそうです...
村井弦斎 「食道楽」
...保は前年の暮に東京に入(い)って...
森鴎外 「渋江抽斎」
...去年の暮までずっとそこにいたのです」「船岡の在」と七十郎は呟(つぶや)いた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...去年……明治四十年の暮に金兵衛から引かされて...
夢野久作 「近眼芸妓と迷宮事件」
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