...昨年の暮であつたか...
小穴隆一 「二つの繪」
...首くくる縄切(なわき)れもなし年の暮...
太宰治 「虚構の春」
...前年の暮一ぱいに港内の掘りさげが終ったので...
田中貢太郎 「海神に祈る」
...一九二八年の暮れだった...
谷譲次 「踊る地平線」
...年の暮れに余分な銭のあったのをヴィクトロラの中でいちばん安いのにかえて針も三角の竹針を用いる事にした...
寺田寅彦 「蓄音機」
...来年の暮までは是非待って下さい...
豊島与志雄 「或る女の手記」
...去年の暮だったわねえ...
永井荷風 「ひかげの花」
...年の暮に、事を好むとしか思われない世間の人が、故意(わざ)と短い日を前へ押し出したがって齷齪(あくせく)する様子を見ると、宗助はなおの事この茫漠(ぼうばく)たる恐怖の念に襲(おそ)われた...
夏目漱石 「門」
...ツイ去年の暮田舍から呼んだ娘ぢやありませんか」「言ひわけを聽きに來たんぢやないよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...昨年の暮あたりは殆ど家に帰りませんでした...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...これらの作品は一九二七年の暮れ近くまでの間にかかれたものである...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)」
...仙太 こいつは白木の位牌だが? 文久三年十二月二十五日、去年の暮か...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...創立は年の二月なりしが早やその年の暮には車三十輛を以て配達するに至りぬ...
村井弦斎 「食道楽」
...その百七十二備後では此年文政八年の暮に...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...それは昭和十三年の暮のことでありました...
柳宗悦 「沖縄の思い出」
...その年の暮つかた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...ふるさとの話横濱とは十九歳の年の暮に一別したきりである...
吉川英治 「折々の記」
...三浦を引上げたは大正五年の暮であつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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