...年かさの同僚が、彼れの振はない風采を材料にして、古い洒落(しやれ)を聞かせようとする如く、年下の同僚も、亦それを機会にして、所謂(いはゆる)興言利口(きようげんりこう)の練習をしようとしたからである...
芥川龍之介 「芋粥」
...己(おれ)も来年かさ来年はアメリカへ行くとか...
芥川龍之介 「出帆」
...……しかし年かさらしい女生徒の一人は僕の側を通る時に誰かの足を踏んだと見え...
芥川竜之介 「歯車」
...秋になると夏に描かれた娘よりはもう一つ年かさの...
上村松園 「最初の出品画」
...年かさの方が名刺を出した...
梅崎春生 「記憶」
...そしてその年かさのものは...
大杉栄 「日本脱出記」
...年かさらしいのが何か大将ぶって指揮している...
寺田寅彦 「枯菊の影」
...なかでも年かさな連中は...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...教室のうしろ側にもぞもぞしていた年かさの子供たちが...
本庄陸男 「白い壁」
...年かさの大姉さんといふのが傍に居て監督して居る...
正岡子規 「病牀六尺」
...」年かさの車屋の子は...
水上滝太郎 「大人の眼と子供の眼」
...三四人の番当や丁稚が火鉢をかかえて円くすわって一番年かさらしい一人が新聞のつづき物を節をつけて読んできかせて居たが「今晩」と云うどら声がいきなりひびいたので読のをやめて一度にふりかえったがじいやがあんまり変な形をして居るので眼を見合してニヤニヤして居る...
宮本百合子 「大きい足袋」
...何年かさきに、必ずもう一度日本の歴史教科書は書き直されるべき見とおしに立っている...
宮本百合子 「『くにのあゆみ』について」
...養われている子の中で年かさな男の子が一人...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...一ばん年かさのしっかりとしたのが...
柳田国男 「母の手毬歌」
...あばた顔の大亀が、この仲間では、年かさで、体つきも頑丈だが、小柄ながら阿能十には、武家息子らしい風骨(ふうこつ)と敏捷(びんしょう)さがある...
吉川英治 「大岡越前」
...まず一同で、外から仔細をお告げ申しあげ、よく御得心を仰いだ上で、迎えの駒へ、おすすめいたすがよいかと思う」「駒は、どうした」「駒は彼方だが」「たれか、それも曳いて来い」やがて、顔が揃うと、年かさの一人が、やおら御堂格子(みどうごうし)の前へすすみ出た...
吉川英治 「私本太平記」
...三人のうちではいちばんな年かさだった...
吉川英治 「新・水滸伝」
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