...まず平々凡々たることは半三郎の風采(ふうさい)の通りである...
芥川龍之介 「馬の脚」
...わたしは半三郎の家庭生活は平々凡々を極めていると言った...
芥川龍之介 「馬の脚」
...いかに平々凡々の人物にても...
井上円了 「おばけの正体」
...とうてい私たちのような平々凡々の徒の堪え得るところでない...
種田山頭火 「寝床〔扉の言葉〕」
...実のところは頗る平々凡々たる事柄にすぎんのだ』とリャボーヴィチは...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...平々凡々たるしかも十行内外の一段を設けるのは...
夏目漱石 「作物の批評」
...平々凡々な生活であつた...
林芙美子 「濡れた葦」
...しかし僕が窮屈な、そして心を偏狹(へんけふ)にさせる、平々凡々な、引込んだ、英國の田舍牧師の職を永久に續けてはゐられないと同じに、あなたも永久には續けないでせう...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...碧梧桐調は専売特許の如き者いち早くこれを摸して世に誇らんとするは不徳義といはんか不見識といはんか況(ま)してその句が平々凡々「も」の一字によりて毫(ごう)も価を増さざるをや...
正岡子規 「墨汁一滴」
...論語に至っては世にも稀(めず)らしき平々凡々...
正宗白鳥 「論語とバイブル」
...餘り祕密とすべき大切な物が無く却て平々凡々のものが多い...
松本文三郎 「印度の聖人」
...翁の名はその姻戚故旧の死亡と共に遠からずこの地上から平々凡々と消え失せて行きはしまいか...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...相手は平々凡々のお人好しを通り越して...
夢野久作 「鉄鎚」
...老幼賢愚の隔意なく胸襟(きょうきん)を開いて平々凡々に茶を啜(すす)り...
夢野久作 「近世快人伝」
...測り知られぬ平々凡々な先生の...
夢野久作 「近世快人伝」
...その平々凡々振りが又なかなか容易に真似られないのだから不思議である...
夢野久作 「近世快人伝」
...遠からず平々凡々な趣味によってしまうべき運命を持っているので...
夢野久作 「ナンセンス」
...自動車道路に沿って行くというのではなんとなく平々凡々すぎるように思われて...
蘭郁二郎 「植物人間」
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