...常磐木以外の木はすべて葉を失った裸木ですが...
石川欣一 「山を思う」
...庭の片隅に常磐木が四五本こんもりと立つてゐる...
薄田泣菫 「独楽園」
...可也(かなり)の距離から来る煤煙に汚れた常磐木(ときわぎ)の枝葉を払いなどしていたが...
徳田秋声 「あらくれ」
...常磐木(ときはぎ)にてその葉は黐木(もち)に似たり...
永井荷風 「来青花」
...曇った常磐木(ときわぎ)の影が映る時のようである...
夏目漱石 「三四郎」
...邸宅の後ろは常磐木の密林へ塀一つで...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...そして常磐木が鬱蒼としてゐた...
牧野信一 「籔のほとり」
...それは常磐木で四時青々として居りかつ葉が闊(ひろ)く滑沢で艶があるからその繁った葉ばかりの木を眺めても立派であり...
牧野富太郎 「植物記」
...松は四季を通じていつも緑の色を湛えた常磐木で...
牧野富太郎 「植物記」
...松の落葉の如き常磐木(ときわぎ)の落葉は総て夏季に属す...
正岡子規 「俳諧大要」
...よい形をした常磐木(ときわぎ)にまとった蔦(つた)の紅葉だけがまだ残った紅(あか)さであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...名に高い屏風山保安林の常磐木(ときわぎ)の緑が...
柳田国男 「雪国の春」
...山の傾斜と直立する常磐木との角度...
柳田国男 「雪国の春」
...今まで深く茂った大きな常磐木(ときわぎ)の森の間に...
夢野久作 「白髪小僧」
...常磐木の十(と)もと二十(はた)もと...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...そこには一本の大きな常磐木(ときわぎ)だけがそびえていた...
吉川英治 「私本太平記」
...(昭和二十六年十一月)折々(おりおり)ぐさ第五巻「常磐木の巻」は...
吉川英治 「随筆 新平家」
...だから古典平家の序章にはいるまでに「新・平家物語」では「ちげぐさの巻」「九重の巻」「ほげんの巻」「六波羅行幸の巻」「常磐木の巻」と古典にない部類が加えられ「石船の巻」や「みちのくの巻」以外に...
吉川英治 「随筆 新平家」
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