...67前の常磐木のかげにあるベンチ...
芥川龍之介 「浅草公園」
...四辻などには金紙銀紙の星もて飾りたる常磐木(ときはぎ)の草寮(こや)あり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...常磐木の緑もあろう...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...それから此の槻の隣に今迄は殆ど常磐木かと思はれる程な青い色をしてゐた榎の葉が此の頃少し黄色を帯びて来た事が明らかに看取された...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...今までは蕭条(しょうじょう)として常磐木(ときわぎ)のほかの万木千草はことごとく枯れ果てたかと思われていた中に...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...可也(かなり)の距離から来る煤煙に汚れた常磐木(ときわぎ)の枝葉を払いなどしていたが...
徳田秋声 「あらくれ」
...井(ゐど)のほとりの常磐木(ときはぎ)や...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...常磐木の横を廻ってゆくと...
豊島与志雄 「反抗」
...後(うしろ)の黒い常磐木(ときわぎ)の間からは四阿屋(あずまや)の藁(わら)屋根と花畠(はなばたけ)に枯れ死した秋草の黄色(きばみ)が際立(きわだ)って見えます...
永井荷風 「監獄署の裏」
...午後常磐木倶楽部訪諏商店浮世絵売立会に赴き巨川一枚...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...常磐木の茂りの並び立つ道の彼方からの声がきこえる...
永井壮吉 「冬日の窓」
...散る花もろとも常磐木の落葉をかけば時ならぬ秋の夕のさびしさに色なき月は空にあり...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...スコッチ・ファーと云う常磐木(ときわぎ)の葉が...
夏目漱石 「永日小品」
...眼に入るものは青い麦畠(むぎばたけ)と青い大根畠と常磐木(ときわぎ)の中に赤や黄や褐色を雑多に交ぜた森の色であった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...譲り葉は常磐木で四時青々と茂っているが...
牧野富太郎 「植物記」
...松の落葉の如き常磐木(ときわぎ)の落葉は総て夏季に属す...
正岡子規 「俳諧大要」
...(昭和二十六年十一月)折々(おりおり)ぐさ第五巻「常磐木の巻」は...
吉川英治 「随筆 新平家」
...これは殆んど栂の木から出来ている様な常磐木の寒い森であった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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