...諸家の諸説が紛々として帰趨の定まらぬところに...
太宰治 「津軽」
...聡明なる太子はすでにもはやあの時自己の運命の帰趨(きすう)は充分に悟っていられたのではなかったろうか? 見上げている私の眼にも熱い熱いものがたぎり立ってきた...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...必然的の帰趨を示すものではなおさらない...
津田左右吉 「歴史の矛盾性」
...彼の烱眼は夙(つと)に近代資本主義的生産方法の帰趨を洞察していたのであり...
戸坂潤 「辞典」
...それより海岸をわき目もふらず房州御膝下に帰趨(きすう)不可疑候...
中里介山 「大菩薩峠」
...それは目的もなく帰趨(きすう)もない...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...帰趨ありや?其様(そん)な事は人間に分るものでない...
二葉亭四迷 「平凡」
...これはいま若返りつつある谷のまことに当然の帰趨なのでございます...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...また無地に美の帰趨を感じた...
柳宗悦 「民藝四十年」
...極めて自然なる心理の帰趨(きすう)にして...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それは彼が前に現下の最も人心の帰趨に多く関係を持つ思想と犯罪との接触点を検点しようとして...
横光利一 「マルクスの審判」
...その行動の基点から帰趨(きすう)まで人の力にあることに変りはない...
吉川英治 「上杉謙信」
...時代の帰趨(きすう)とを大観して――或る結論を...
吉川英治 「新書太閤記」
...彼は大局の帰趨(きすう)も分らず盲戦(もうせん)に強がっているような暗将ではない...
吉川英治 「新書太閤記」
...明らかに帰趨(きすう)を見とおしている者は...
吉川英治 「新書太閤記」
...ついに今日の帰趨(きすう)は見られなかったことであろう...
吉川英治 「新書太閤記」
...すでに帰趨(きすう)を明らかにしていたといっていい...
吉川英治 「新書太閤記」
...天下の帰趨(きすう)を賭(と)した一戦は...
吉川英治 「新書太閤記」
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