...中には「差当り第一巻を見本として送られ度(たく)...
芥川龍之介 「リチヤアド・バアトン訳「一千一夜物語」に就いて」
...ところが、差当り、今目の前に、貴女の一雫(ひとしずく)の涙を頂かないと、死んでも死に切れない、あわれな者があるんです...
泉鏡花 「婦系図」
...差当り思就(おもいつき)たるは左の二ヶ条に候...
伊藤左千夫 「師を失いたる吾々」
...差当り先生のアパアトへ行くより外ないといふんです...
徳田秋聲 「和解」
...笹村の胸にも差当り軽い歓喜の情が動いていた...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...それにはまず、差当り、輿論(よろん)の推薦に従って、自分は武術の先生になりすまし、米友をそのお弟子分に取立てて、これからの道中という道中を、武者修行をして、道場という道場を、片っぱしから歴訪して歩いたら面白かろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...それでも差当りの急は...
中里介山 「大菩薩峠」
...武者ぶりは……」「天晴天晴(あっぱれあっぱれ)――元亀天正時代ならば押出しだけで差当り五百石の相場はある」丸山勇仙がほめる...
中里介山 「大菩薩峠」
...「彼方(あっち)の方は差当り責められる様な事もないんですか」と聞いた...
夏目漱石 「それから」
...差当りの不足は二千両ほどで」「それくらいのことなら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...差当り腕守りを外さずに湯に入る奴はないか――一年も半歳も...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...差当りいい智慧もなかった...
原民喜 「四五ニズム述懐」
...それよりかまず差当りエート何んだッけ……そうそう免職の事を叔母に咄(はな)して……さぞ厭な顔をするこッたろうナ……しかし咄さずにも置かれないから思切ッて今夜にも叔母に咄して……ダガお勢のいる前では……チョッいる前でも関(かま)わん...
二葉亭四迷 「浮雲」
...そして差当りこれを事実と見るならば...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...今月は婚礼に悪い月だから来月の中(うち)で日を択ぶ事として差当り媒妁人を頼まなければならん...
村井弦斎 「食道楽」
...さて差当り保と同居するつもりだといった...
森鴎外 「渋江抽斎」
...差当りあれをたんのうするまで御覧なさい...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...差当りの入用にはその点まで説くには及ばぬと思うから省略する...
柳田国男 「雪国の春」
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