...差し上げる手紙を書く料簡(りょうけん)もなく...
伊藤左千夫 「春の潮」
...いやな顔をせずお酒を差し上げる事にしていたのでした...
太宰治 「ヴィヨンの妻」
...もしあらゆる国民が唯一の神を拝するものならば、なぜ君たち回教徒はキリスト教徒を永遠の敵と見ているのかね?」「なにを怒ります?」とケルバライは両手を腹に当てて言った、「あんたは坊様、私は回教徒、あんたは食べたいとおっしゃる、私は差し上げる...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...名刺を差し上げるから...
三上於菟吉訳 大久保ゆう改訳 「自転車乗りの影」
...あなた様に向かっては満腔(まんこう)の歓喜を披瀝(ひれき)いたしまする!」彼は立ち上って両手を差し上げると...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...また藤尾を差し上げる訳にも参らなくなりますから……」「それじゃ兄さんがもしや御嫁を貰うと云い出したら困るでしょう」「なに大丈夫だよ」と母は浅黒い額へ癇癪(かんしゃく)の八の字を寄せた...
夏目漱石 「虞美人草」
...八土田八郎様突然手紙を差し上げる失礼を御許し下さい...
浜尾四郎 「死者の権利」
...お客様のお望みの寸法だけ差し上げるんですヨ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...失くした花を差し上げるぜ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...左手で高く差し上げると...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...これを皆陛下へ差し上げることにして公然の席で勝負を決めるほうが興味のあってよいことであると源氏がまず言い出した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...大納言も別の形式で宮仕えに差し上げることを奏上した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...例の宵(よい)の仏前のお勤めのために手水(ちょうず)を差し上げる役にあたった中将の君の扇に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...宮は次々に差し上げる盃を二つ三つお重ねになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...できのよろしい子供たちだけを皆お邸(やしき)へ差し上げることにしましょうということでした」その言葉どおりに奇妙な親戚(しんせき)関係と人には見られることであろうが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...借越(かりこし)のパンを差し上げるのも致方(いたしかた)がございません...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...新しいおねまきと更えて差し上げる...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...いく度もいく度も貴方様に差し上げる手紙を書き直しておりますうちに...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??