...ヤルマールのほうへ差しだしました...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「眠りの精」
...議長閣下へ差しだしてしまいたいくらいでございます...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...とにかくこれで俥に乗って…」申訳なさそうな顔をして三円差しだした...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...私はグラスをカウンタア・ボックスの方へぐっと差しだした...
太宰治 「断崖の錯覚」
...女の子は暫(しばら)くもじもじしていたが、やがて、雲呑の小鉢を下へ置き、肘(ひじ)のなかの花束からおおきい蕾のついた草花を一本引き抜いて、差しだした...
太宰治 「葉」
...やがて紅(あか)い唇を差しだしてそれにつけた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...その傍にいた婢(じょちゅう)がお給仕の盆を差しだした...
田中貢太郎 「蠅供養」
...椀を差しだしたところで蠅が来てその手首にとまった...
田中貢太郎 「蠅供養」
...足もとに落ちていた鳥の尾羽(おば)のようなものを拾いあげて藤波のほうへ差しだし...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...昨夜おそく差しだしておいた...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...おれに署名をさせようとして書類を差しだしやあがつた時だ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...この男は旅行免状なんか差しだしやしないのでございますよ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...「失念していたわけではありませぬが――」彼は袱紗(ふくさ)に包んだ墨付きを差しだした...
本庄陸男 「石狩川」
...「何て……何てこったろうほんとに」シットリと湿(しっ)けた枝差しだしている傍らの柘榴の股になっているところへのせて置いたお線香二本...
正岡容 「小説 圓朝」
...若女形(わかおやま)の方へ差しだした...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...大きな蓮(はす)の葉にくるんで差しだした...
吉川英治 「新・水滸伝」
...西国大名と呼応して屈強な立場――捨ておいては一大事である」すぐ意見を書いて城代酒井侯(さかいこう)へ差しだした...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...とどのつまり手を差しだした...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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