...これにマッシド・ポテトにグリン・ピースが山ほど添えてあった...
石川欣一 「比島投降記」
...本を山ほど番頭に背負わせて...
太宰治 「斜陽」
...市場に山ほどの品物が積まれてあっても...
太宰治 「女類」
...入院前の山ほどの負債は...
太宰治 「東京八景」
...お弁当箱に食べ残しのごはん三粒、千万人が一日に三粒ずつ食べ残しても既にそれは、米何俵をむだに捨てた事になる、とか、或いは、一日に鼻紙一枚の節約を千万人が行うならば、どれだけのパルプが浮くか、などという「科学的統計」に、自分は、どれだけおびやかされ、ごはんを一粒でも食べ残す度毎に、また鼻をかむ度毎に、山ほどの米、山ほどのパルプを空費するような錯覚に悩み、自分がいま重大な罪を犯しているみたいな暗い気持になったものですが、しかし、それこそ「科学の嘘」「統計の嘘」「数学の嘘」で、三粒のごはんは集められるものでなく、掛算割算の応用問題としても、まことに原始的で低能なテーマで、電気のついてない暗いお便所の、あの穴に人は何度にいちど片脚を踏みはずして落下させるか、または、省線電車の出入口と、プラットホームの縁(へり)とのあの隙間に、乗客の何人中の何人が足を落とし込むか、そんなプロバビリティを計算するのと同じ程度にばからしく、それは如何(いか)にも有り得る事のようでもありながら、お便所の穴をまたぎそこねて怪我をしたという例は、少しも聞かないし、そんな仮説を「科学的事実」として教え込まれ、それを全く現実として受取り、恐怖していた昨日までの自分をいとおしく思い、笑いたく思ったくらいに、自分は、世の中というものの実体を少しずつ知って来たというわけなのでした...
太宰治 「人間失格」
...富士の山ほどお金をためて毎日五十銭ずつ使うつもりだとか...
太宰治 「パンドラの匣」
...山ほど薪(まき)を積み上げて...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...まだまだいいたいことが山ほどある気色(けしき)なのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...柳田は田山ほどに世界を知らないし...
中里介山 「大菩薩峠」
...「證據は山ほどありまさア」「例へば?」「階子段に油を塗つて番頭の喜八を殺しかけた奴が解つたんです」「誰だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...OSSで罐詰や腸詰を山ほど買いこんで...
久生十蘭 「あなたも私も」
...こうも山ほど食えるかと涙のでるほどよろこんでいると...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...その日はいろいろな山車(だし)やただ飲み台などが沢山に出てて見世物師や渡り音楽師が山ほど集って来たって...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...書きつけて置きたいことは山ほどあり...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...帰りには薪を山ほど積んできた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...山ほどな理由もかぞえられるが...
吉川英治 「私本太平記」
...故に、云い条を立てれば、山ほどあるが、御辺のようにいわれてみると、ちと、筑前のやり過ぎはあったようだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...まだまだお綱をなびかせる方法は山ほどある! 金ずく...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索