...葉子はその時分になって始めて少しずつ自分を回復していた...
有島武郎 「或る女」
...各人によって少しずつ異っていただろうが...
梅崎春生 「赤い駱駝」
...ぜんたい東京の人間は皆少しずつはにかみ屋である...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...少しずつ躙(にじ)られて行くような気の衰えが見えた...
徳田秋声 「黴」
...少しずつ片蔭(かたかげ)になってきますから」それから古道具屋などの多い町を通って...
徳田秋声 「挿話」
...それが少しずつ物狂わしいように思われて...
中里介山 「大菩薩峠」
...事態が少しずつ、追々と分明になって参ります...
中里介山 「大菩薩峠」
...カチンカチンとほんの少しずつ凍土の中に穴を掘って行くのである...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...おとなしい継子はそのたびに少しずつ後(あと)へ退(さが)った...
夏目漱石 「明暗」
...そこには追憶が少しずつ揺れているようだった...
原民喜 「死のなかの風景」
...やがて隣の細君の姿が現れると「いずれ煮(た)いて食べる時には少しずつお頒けしますよ」と妻は晴れ晴れと云うのであった...
原民喜 「忘れがたみ」
...わたしたちは毎日少しずつこの谷を下りて行った...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...毎日少しずつ書いて行った...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)」
...鍋の底と腰を温めてから上の孔より少しずつ上昇するばかりだ...
村井弦斎 「食道楽」
...この期間に少しずつ母が教え得なかった人生を学んで行くのである...
柳田国男 「故郷七十年」
...少しずつ不明になろうとしている...
柳田國男 「地名の研究」
...海に入らんとする所で必ず少しずつ右すなわち東北の方へ屈曲しているのを見て...
柳田國男 「地名の研究」
...これから少しずつやってみるかな...
山本周五郎 「柳橋物語」
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