例文・使い方一覧でみる「嫌らしい」の意味

...「先立つものがないとねえ」その嫌らしい笑い方が僕を激怒させた...
梅崎春生「ボロ家の春秋」

...客が上機嫌らしいのを見て... 客が上機嫌らしいのを見ての読み方
薄田泣菫「艸木虫魚」

...彼は所謂よい家庭人であり、程よい財産もあるようだし、傍に良妻あり、子供は丈夫で父を尊敬しているにちがいないし、自身は風景よろしきところに住み、戦災に遭ったという話も聞かぬから、手織りのいい紬（つむぎ）なども着ているだろう、おまけに自身が肺病とか何とか不吉な病気も持っていないだろうし、訪問客はみな上品、先生、先生と言って、彼の一言隻句にも感服し、なごやかな空気が一杯で、近頃、太宰という思い上ったやつが、何やら先生に向って言っているようですが、あれはきたならしいやつですから、相手になさらぬように、（笑声）それなのに、その嫌らしい、（直哉の曰く、僕にはどうもいい点が見つからないね）その四十歳の作家が、誇張でなしに、血を吐きながらでも、本流の小説を書こうと努め、その努力が却（かえ）ってみなに嫌われ、三人の虚弱の幼児をかかえ、夫婦は心から笑い合ったことがなく、障子の骨も、襖（ふすま）のシンも、破れ果てている五十円の貸家に住み、戦災を二度も受けたおかげで、もともといい着物も着たい男が、短か過ぎるズボンに下駄ばきの姿で、子供の世話で一杯の女房の代りに、おかずの買物に出るのである...
太宰治「如是我聞」

...ああ嫌らしい」「おまえだって... ああ嫌らしい」「おまえだっての読み方
田中貢太郎「南北の東海道四谷怪談」

...何といふ嫌らしい雨だらう... 何といふ嫌らしい雨だらうの読み方
種田山頭火「行乞記」

...」「ウッドリさんにはひどく嫌らしい人だという印象を... 」「ウッドリさんにはひどく嫌らしい人だという印象をの読み方
三上於菟吉訳大久保ゆう改訳「自転車乗りの影」

...」「後は？」「あの嫌らしい人... 」「後は？」「あの嫌らしい人の読み方
三上於菟吉訳大久保ゆう改訳「自転車乗りの影」

...さんざん勝手な嫌らしいことと... さんざん勝手な嫌らしいこととの読み方
豊島与志雄「死因の疑問」

...俄に上機嫌らしい... 俄に上機嫌らしいの読み方
豊島与志雄「自由人」

...嫌らしいとか憎らしいとかいう気持は... 嫌らしいとか憎らしいとかいう気持はの読み方
豊島与志雄「常識」

...どっちかというと嫌らしい出来だったというじゃないか... どっちかというと嫌らしい出来だったというじゃないかの読み方
野村胡堂「銭形平次捕物控」

...嫌らしい素振りなんか少しもありませんよ」「夜分外へ出ることはないのか」「滅多に出ません」「昨夜（ゆふべ）は？」「二人共早く休んだやうで」「權八は？」「あれは道樂者ですよ...
野村胡堂「錢形平次捕物控」

...嫌らしい事ばかり言つて... 嫌らしい事ばかり言つての読み方
野村胡堂「錢形平次捕物控」

...なんとも嫌らしい真似をする... なんとも嫌らしい真似をするの読み方
久生十蘭「犂氏の友情」

...どうかすると嫌らしい情欲的なものを感じさせるのであつた... どうかすると嫌らしい情欲的なものを感じさせるのであつたの読み方
北條民雄「青年」