...娘時代の信子(のぶこ)さんへの...
大阪圭吉 「香水紳士」
...それほど御執心(ごしゅうしん)ならばこれまで通りにさせてやって下さいますかと父親が念をおしましたくらいで御亭主や子供がありましても娘時代のおおどかな気風はいっこうかわりはなかったそうにござります...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...十七八の娘時代に父に連れられて上京し...
谷崎潤一郎 「細雪」
...まさか娘時代のような意地悪も出来ないし...
谷崎潤一郎 「細雪」
...娘時代によくそうしたように...
谷崎潤一郎 「細雪」
...むかし娘時代に、田舎の町で裁縫のお師匠さんに通つてゐる頃、きつと通らなければならない、通りの時計屋の子息(むすこ)に心を惹着(ひきつ)けられて、淡い恋の悩みをおぼえはじめ、その前を通るとき、又は思ひがけなく往来で、行合つたりした時に、顔が紅(あか)くなつたり心臓が波うつたりして、夜(よる)枕に就(つ)いてからも角刈の其の丸い顔が目についたり、昼間針をもつてゐても、自然に顔が熱したりした...
徳田秋聲 「或売笑婦の話」
...わたくしたちの娘時代は...
豊島与志雄 「死因の疑問」
...彼女は、自分が娘時代に、叔父(おじ)のストゥヴァン家で彼に出会って、彼によって、彼の音楽によって、世の中にある美しいものを啓示されたころのことを、話し出した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...泣きながら訴えた小娘時代のことが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...かくて十年、家附きの娘は気兼もなく、娘時代と同様、物見遊山(ものみゆさん)に過していたが、傾(かたむ)く時にはさしもの家も一たまりもなく、僅(わず)かの手違(てちが)いから没落してしまった...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...娘時代よりはずっと美しく...
長谷川伸 「討たせてやらぬ敵討」
...娘時代からの男の数を指でひそかに折り数えてみた...
林芙美子 「晩菊」
...町名をば順に数ふる早わざを妹達に教へしは誰れ小娘時代の囘顧で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...善良な人になって幸福な娘時代をすごし...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...娘時代をたのしくすごせるし...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...娘時代の友人たちを思い浮べた...
矢田津世子 「茶粥の記」
...小松は「自分たちには娘時代というものがなかった」という意味のことを口にした...
山本周五郎 「日本婦道記」
...多少なり、娘時代の母は、攻玉舎の塾風とか教育の愉しさみたいなものに感化されていたろうし、そして、それなら自分にも手伝えるという自信から良人にすすめ、そこで夫婦共稼ぎの気もちで初めた仕事ではないかと思われる...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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