...それにお遊さんは望まれて行ったくらいでござりますから姑(しゅうとめ)にも御亭主にもたいへん大事にされまして実家にいましたときよりもずっと我がままにのんびりとくらしておりましたので後家になりましてからもときおり大勢の女中をつれて物見遊山(ものみゆさん)に出かけていくという風でそういう贅沢(ぜいたく)は自由に出来たのだそうにござりますからはたから見ればまことに気楽な境涯なのでござりまして...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...僕はあんな因循姑息(いんじゅんこそく)なお嬢さんは嫌いです...
谷崎潤一郎 「細雪」
...うちの嫁は何処と云つて悪いところはないやうなものゝ、何だか親身(しんみ)に世話をして貰ふ気になれない、それと云ふのが、心から年寄を労(いた)はつてやらうと云ふ優しい情愛がないからなのだと、母親はよくさう云つたが、つまり嫁も姑も、孰方もしつかり者だつたのが不和の原因になつたのである...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...階下(した)で老婢(ばあさん)が慈姑(くわい)を煮る香ばしい臭いをききながら...
近松秋江 「うつり香」
...一つは姑(しゅうとめ)や父親への面当(つらあて)に...
徳田秋声 「あらくれ」
...寝物語に母から聞いた嫁姑の話...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...彼れが如き姑息にして活動せざる長期の舞臺に耐へざるなりと...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...蠶豆、莢豌豆、獨活、慈姑の如きもの、散歩の際これを路傍の露店又は農家について購ふことを得べし...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...僅なる給金にて姑と子供一人とを養ひゐたる心掛け大に感ずべきものなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...その配(はい)中村氏は南畆先生が外姑(がいこ)の後裔(こうえい)なり...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...現に似合わしい夫婦と姑(しゅうとめ)になり終(おお)せているという事にふと思い及んだ時...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...家では姑にいびられて...
南部修太郎 「S中尉の話」
...多くその妻に非(あら)ずば姑の老婦人だといわれてるが...
萩原朔太郎 「小泉八雲の家庭生活」
...其最親の人の最も尊敬し最も親愛する老父母即ち舅姑のことなれば...
福沢諭吉 「新女大学」
...まだ出さずにいた姑宛の手紙と革の紙入れとを代る代るに押さえ出しているのを彼女自身も感じていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...幕府の当局があまり因循姑息だから攘夷が出来ないのだ...
三田村鳶魚 「話に聞いた近藤勇」
...嫁(よめ)と姑(しゅうと)との仲悪(あ)しくなり...
柳田国男 「遠野物語」
...けれどそのまま厨(くりや)へゆこうとすると姑の呼びとめる声がしたので...
山本周五郎 「日本婦道記」
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