...これを熟視するに...
井上円了 「おばけの正体」
...参上いたしました』そういう彼を熟視するとその顔にはまるで生気というものがなく...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「むかでの跫音」
...それにかかわらず一種の愉快な心持をもって熟視する事が出来た...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...むしろ冷静な観察者となって自然の選択淘汰の手さばきを熟視するほかはないようにも思われるのである...
寺田寅彦 「俳句の型式とその進化」
...初めてお作の顔を熟視することが出来た...
徳田秋声 「新世帯」
...供養(くよう)の卒塔婆(そとば)を寺僧にたのまむとて刺(し)を通ぜしに寺僧出で来りてわが面を熟視する事良久(しばらく)にして...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...ああ見事――熟視すると...
中里介山 「大菩薩峠」
...近づくに従って熟視すると...
中里介山 「大菩薩峠」
...熟視すると、それは殺(そ)ぎ落された人間の小指一本であります――ややあって、お銀様は火箸を取って、その小指をつまみ上げて、懐紙の上に載せて見ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...(その眼や口や鼻を他と切離して一つ一つ熟視する時...
中島敦 「狼疾記」
...この盾を熟視する者は何人(なんびと)もその諺のあながちならぬを覚(さと)るであろう...
夏目漱石 「幻影の盾」
...虚心(きよしん)平氣(へいき)の積で熟視する...
三島霜川 「平民の娘」
...熟視するというにはあらず...
南方熊楠 「失うた帳面を記憶力で書き復した人」
...時々立ち留まりもするを訝(いぶか)り熟視すると何の事だ...
南方熊楠 「十二支考」
...われらが彼を熟視するごとく彼もしきりにわが一行を打ち守りき...
宮崎湖処子 「空屋」
...手にとってそれを熟視するならば...
柳宗悦 「工藝の道」
...一糸まとわぬ彼の肉体を熟視すると...
吉川英治 「新書太閤記」
...熟視すると、死骸には、木の枕をさせ、上から汚い百姓着がかぶせてある...
吉川英治 「宮本武蔵」
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