...あのふたりの好青年を捜し出してきた腕まえからも...
江戸川乱歩 「影男」
...憂国の好青年だった事においては変りは無いのだ...
太宰治 「惜別」
...りっぱな中流家庭に生まれて芸術上の志望をもってる好青年だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...手塩にかけた好青年が一人...
中井正一 「地方文化運動報告」
...それから、さらさらと笠の内側の一部分へ、思君不見下渝州さらさらと認(したた)めて投げ出したものですから、その筆のあとを、青年がしげしげと見て、「ははあ、李白ですな、唐詩選にあります」「いや、どうも、まずいもので」青年は、うまいとも拙(まず)いとも言ったのではないのに、兵馬は自分でテレて、つかぬ弁解をしていると、「いや、結構です、君を思えども見ず、渝州(ゆしゅう)に下る――思われた君というのが、つまり、そのうつのやの福松君ですな、福井の城下で、あなたとお別れになって、友情綿々、ここ越前と近江の国境(くにざかい)に来て、なお君を思うの情に堪えやらず、笠を贈って、その旅情を留めるというのは、嬉しい心意気です、友人としてこれ以上の感謝はありますまい、この使命、僕自身の事のように嬉しいです、たしかに引受けました」それと知れば、ただではこの使はつとまりませんよ、何ぞ奢(おご)りなさい、とでも嬲(なぶ)りかけらるべきところを、この好青年は、悉(ことごと)く好意に受取ってしまったものですから、兵馬はいよいよ済むような、済まないような気分に迫られたが、今更こうなっては打明けもならず、また、ブチまけてみるがほどのことでもないと、「では、どうぞ、お頼みします、その代りに君の笠を貸して下さい」「竹の饅頭笠(まんじゅうがさ)で、いやはや、御粗末なもので失礼ですが、お言葉に従いまして」青年は、自分のかぶって来た饅頭笠を改めて兵馬に提出したが、これはなんらの文字を書こうとも言わず、それはまた提灯骨(ちょうちんぼね)で通してあるから墨の乗る余地もないもの...
中里介山 「大菩薩峠」
...好青年ヨハンネス・ブラームス(Johannes Brahms)は一八三三年五月七日...
野村胡堂 「楽聖物語」
...人柄はまことにいきな一九三一年型の好青年紳士です...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...この好青年は、久藏、久三郎親子の反對を押し切つて、お染と一緒になる勇氣がないのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二十七八のまだ大学を出たばかりと言った好青年で...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...爽やかな感じのする好青年で...
久生十蘭 「予言」
...服部は初対面だが芸術を好むこと盛なる好青年...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...この好青年官人が源氏の太刀(たち)を取りに戸口へ来た時に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...郷里は越前の国で父(仏師)に彫刻を学び、十九歳のとき上京したが翌年故あって拙宅に寄寓した、白面の好青年、一室に籠ってこつこつやっていたが、いつの間にか精巧驚くべき象牙彫の置物を仕上げた...
山本笑月 「明治世相百話」
...末たのもしい好青年だった...
吉川英治 「三国志」
...あくまで初心(うぶ)で謹直な好青年のごとく...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ここで――)と別辞(わかれ)を交わしていた好青年である...
吉川英治 「宮本武蔵」
...つつましい好青年であり...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...結局君のような好青年を見つけたかったからなのじゃ...
蘭郁二郎 「白金神経の少女」
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