...その東の方の隅に凹字形をした石鎚山が奥深く控へて...
安倍能成 「初旅の残像」
...宇宙の奥深く撒(ま)きちらしている符号は日々非常に多い...
海野十三 「遊星植民説」
...車は真暗な場内の奥深く入って停ったが...
海野十三 「流線間諜」
...私たちの生活の奥深く滲み透っているように思われる...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...私は林のさらに奥深くへすすんでいった...
太宰治 「狂言の神」
...其処には薄つすらした靄がかかつて池の周囲の灯の光を奥深く見せてゐた...
田中貢太郎 「水郷異聞」
...この洞窟は奥深くて...
知里真志保 「あの世の入口」
...この影の奥深くに四阿屋(あずまや)がある...
永井荷風 「監獄署の裏」
...そして広大なるこの別天地の幽邃(ゆうすい)なる光線と暗然たる色彩と冷静なる空気とに何か知ら心の奥深く...
永井荷風 「霊廟」
...ついうかうかと奥深く進んで行って...
中里介山 「大菩薩峠」
...五十四郡の伊達家の宝蔵の奥深く存在していなければならないはずの物体のみでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...武蔵野の奥深く進み行きてチョロチョロの小川を指摘するを得る...
新渡戸稲造 「デモクラシーの要素」
...腹巻の奥深く秘めた百両の小判が現われ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...密林の奥深くへくねくねと光つてゐる...
林芙美子 「浮雲」
...嫉妬は心の奥深く燃えるのがつねであるにも拘(かかわ)らず...
三木清 「人生論ノート」
...酒屋にいるところを人に見られまいとしてその店の奥深く隠れたデモステネスに対して...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...如何にも大切(だいじ)そうに懐中(ふところ)の奥深く押し込んだ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...信濃高原の西方を繞る山脈の奥深く...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
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