...遠方の小さい幽(かすか)な茅屋を包んだ一むら竹の奥深く...
泉鏡花 「遺稿」
...背戸の奥深く真暗(まっくら)な大藪(おおやぶ)の多数の蛇(くちなわ)と...
泉鏡花 「薄紅梅」
...西伯利(シベリア)の奥深く日本の陸軍が入込(いりこ)むにつけて...
薄田泣菫 「茶話」
...私は林のさらに奥深くへすすんでいった...
太宰治 「狂言の神」
...通りから厨の傍や帳場の傍を通つてずつと奥深く入つて行くあの料理屋...
田山録弥 「島の唄」
...仕事があんまり私の奥深くに喰い入ってしまったので...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...悪疫や猛獣や蛮人の住む土地に奥深く入り込まうとしたのです...
豊島与志雄 「アフリカのスタンレー」
...その破れた窓の障子から向(むこう)の崖なる木立(こだち)の奥深く...
永井荷風 「日和下駄」
...地中海諸国の文明と奥深く不変に関連して...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...奥深く大きな茅屋根(かややね)が見えていた...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...奥深く潜みたりしまことの我は...
森鴎外 「舞姫」
...酒屋にいるところを人に見られまいとしてその店の奥深く隠れたデモステネスに対して...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そして死の中に相当奥深くまでわたしを押しこむから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...なお奥深く入って行くと...
柳田国男 「山の人生」
...彼はその路を辿(たど)りながら森の奥深く進んでいった...
横光利一 「日輪」
...名山大川(たいせん)の奥深くにいるかもしれぬが...
吉川英治 「新・水滸伝」
...とにかく心の中に奥深く巣くっているこの声が...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...陣営の奥深くインカの座所に迫った...
和辻哲郎 「鎖国」
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