...大川端(おおかわばた)の川風に俥上の微醺(びくん)を吹かせながら...
芥川龍之介 「開化の良人」
...)大川端(おほかはばた)の秋の夕暮に浪費を思つた吉井勇氏はかう云ふ点では石川啄木と...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...歸らうよ」「へエ――」二人は何時の間にやら大川端に出て居りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「そんなイヤなところぢやありませんよ、場所は大川端町、あの邊では顏のきいた、名取屋(なとりや)三七郎といふのを親分御存じでせう」「大層な男だといふが、金儲けはうまい相だな」「その名取屋三七郎は、名古屋山三ほどの良い男の氣でゐるから大したもので」「自惚(うぬぼ)れは罪がなくて宜いよ」「ところでその内儀(おかみ)さんのお縫も惡くねえ女だが、妾のお鮒と來た日にや、品川沖まで魚が取れなくなるといふきりやうだ」「妙な譬(たと)へだな」「あんまり綺麗だから、お天氣の良い日はピカ/\して、その照り返しで大川の魚は皆んな逃げる」「馬鹿なことを言え」「魚が逃げる位だから、人間の男だつて、利口なのは寄り付かない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小山内薫氏の書いた小説『大川端』や『落葉』に出てくる木場(きば)の旦那...
長谷川時雨 「お墓のすげかえ」
...銀羽根ひろって……と羽根つきながら風が出てくると呪(まじな)いに唄う大川端の下邸跡(しもやしきあと)である...
長谷川時雨 「牢屋の原」
...矢の倉河岸(がし)(大川端)に死ににゆこうとしたら...
長谷川時雨 「明治座今昔」
...これは驚きました」「大川端の千鳥ガ淵へ行って...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「大川端でもドライヴしましょう...
久生十蘭 「あなたも私も」
...大川端をさしていそぐのだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「なぜこれこれだと云ってくれないんだ」栄二は大川端(おおかわばた)のほうへ向いながら独り言を云った...
山本周五郎 「さぶ」
...大川端から中ノ橋の袂(たもと)を回ったところで片隣りに『船八』という船宿があり...
山本周五郎 「花も刀も」
...お大事に」五康二郎は大川端へ出た...
山本周五郎 「ひとでなし」
...……大川端の茶店には...
山本周五郎 「柳橋物語」
...大川端をすぐ前にして...
吉川英治 「江戸三国志」
...夜になると、大川端には、たくさんな闇の女が出る...
吉川英治 「大岡越前」
...大川端から西へ入ってすぐの町中で...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...大川端に立って、河原を見まわしていた方の侍は二人で、浜田とよばれたのは、まだ部屋住みらしい若者で、「むむ……違った」と、呻(うめ)きながら、なお、何者かを探すように、ぎらぎらと眼をくばっていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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