...而して之に堪える者は存(のこ)り之に堪えざる者は滅ぶとのことである...
内村鑑三 「聖書の読方」
...苦痛を堪えるような顔をしたが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...最期(さいご)の合戦に堪えるだけの用意――それには毛唐の財布を借りなければいかないのか...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかしこれにトウガラシを加えるとヒトの胃は長いあいだ堪えることが出来なかった...
アーサー・ヒル・ハッサル Arthur Hill Hassall, M.D. 水上茂樹訳 「食品とその混ぜ物処理」
...此の喪失に堪えるのがおれの使命だと云う事でもはっきり分かってさえ居れば...
堀辰雄 「菜穂子」
...この堪えるといふことは...
牧野信一 「蔭ひなた」
...それは未だ自分にさういふ折々の途方もない哀しさや忙しさに堪えるほどの胸が不足してゐるのだと思ふのであるが...
牧野信一 「痩身記」
...此の激務に堪える事の出来る女は白痴か...
松永延造 「職工と微笑」
...なるほど――と彼は云う――蒙昧人がその飢餓に堪える忍耐力は...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...うつ向いた眉のあたりには苦痛を堪えるに練らされた様な堅い確かさと淋しさが浮んで居たのを見ると子は何の為にわざわざ今頃になってからお関が人っ子一人居ない洗場へお久美さんを追い遣ったかが明かに見え透いて...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...死にも生にも堪える勇気がなく...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あのように固い・あのように永い・結合の圧力に堪えるほどには...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...生を整え生を導き生に堪えることである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...また日々の不断(ふだん)づかいに堪えるものであろうか...
柳宗悦 「工藝の道」
...弱きものは日々の器たるに堪えることが出来ぬ...
柳宗悦 「民藝四十年」
...美しくて面も充分実用に堪える点で代表的な和紙と云へよう...
柳宗悦 「和紙十年」
...距離がもっと近く船の修理に堪えるものがもしあったら...
柳田国男 「海上の道」
...労役に堪える強い筋肉と霜から身を護る毛深い毛皮をもつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
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