...敬して遠ざくるに在りしなり...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...カントでさえもやはり現象を実在の彼岸に在りしとして...
井上哲次郎 「明治哲学界の回顧」
...尚未開の状態に在りし当時に於て...
高木敏雄 「比較神話学」
...其尚母の許に在りしとき...
高木敏雄 「比較神話学」
...苦しみの底に在りし一夜も...
太宰治 「創生記」
...「奥州津軽の外ヶ浜に在りし頃...
太宰治 「津軽」
...在りし日のあの豪奢(ごうしゃ)さ...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...在りし日の面影をしのぶよすがもないから...
辰野隆 「浜尾新先生」
...今更のように在りし日の母の俤(おもかげ)を偲(しの)び...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...其用(そのえう)は恐(おそ)らくエスキモーの所用(しよやう)の者と等(ひと)しく銛(もり)の先に着(つ)けて海獸(かいじゆう)大魚(たいぎよ)を打ち留(と)むるに在りしならん...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...用(やう)は大魚(たいぎよ)を釣(つ)るに在りし事(こと)何(なん)の疑(うたがひ)か有らん角器の上(うへ)に畫きたるは猪の牙を摩り※らして作(つく)りたる矢(や)の根形(ねかた)の利噐(りき)なり...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...又明治のむかし横濱に在りし商館番頭のお世辭に異らず...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...きのふからギイ・ド・プウルタレスの「伊太利に在りし日のニイチェ」といふ本を讀み出してゐる...
堀辰雄 「Ombra di Venezia」
...嘗て在りし者の知識及び認識としてではない...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...店に在りし知らぬ老婦人に向ひて...
アルツウル・シユニツツレル Arthur Schnitzler 森林太郎訳 「アンドレアス・タアマイエルが遺書」
...其素志は攘夷に在りし由に有之候...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...眠るともなく醒むるとも無くて在りしが...
夢野久作 「白くれない」
...友人たちはみな在りし日のことのみ...
吉川英治 「折々の記」
便利!手書き漢字入力検索